ネオシティポップとは?その歴史から楽曲14選を徹底公開
今、巷で話題となっているネオシティポップ。どんな楽曲が含まれるのか、そしてどんな歴史があるのかなど、興味深い内容を徹底的に公開していきます。
国内外で空前ブームのネオシティポップ。
2021年に雑誌でも特集が組まれたり、NHK BSプレミアム「THE Covers」でも取り上げられたり、BSフジで「CITY POP CRUISING」という番組がはじまったりと、近年注目を集めている音楽ジャンルです。
今回の記事ではネオシティポップの特徴や歴史、おすすめの曲までご紹介します。
まず、ネオシティポップと似たジャンルとして、シティポップが存在しています。
基本的には両者とも定義は「都会的で洗練されたサウンド」というもので、ネオシティポップもシティポップも同義で使われることがあります。
ただし、正確には流行した時期による定義の違いがあります。
シティポップは1970年代後半から1980年代に流行したジャンルの一つで、ネオシティポップは2010年以降にシティポップの影響を受けた音楽ジャンルになります。
曲調もかなり多彩で、ポップ、ジャズ、ボサノバ、ディスコミュージックなど、多くの音楽ジャンルを含みます。
明確な定義がない曖昧なジャンルなので、ネオシティポップ愛好家の間でも「これはネオシティポップだ」「いや違う」と討論になるほどです。
こちらの記事では具体的にどのような楽曲がネオシティポップに当てはまるかもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ネオシティポップを語るうえで、欠かせないのが1970年代後半から1980年代に流行したシティポップです。
シティポップが生まれた1970年代後半は高度経済成長を終えたころ。
日本が経済的に豊かになり、物質的にも精神的にも余裕が出てブームとなったのがシティポップだと言われています。
実際に当時のシティポップでは、お洒落なライフスタイルや都会の景色、そして時には孤独感や哀愁がテーマに歌い上げられています。
そして高度成長期後のバブルも1990年代以降には崩壊し、同時にシティポップの人気も急激に衰えていきました。
そんなシティポップがネオシティポップとして、再流行したきっかけは2010年代にインターネットで流行ったムーブメントがきっかけ。
2010年代、海外では日本のシティポップをサンプリングし、当初のアニメを繋ぎあわせる動画がクールジャパンとして流行していました。
このムーブメントにより、逆輸入のような流れで日本でもシティポップが再熱し、多くのアーティストがシティポップのレトロ感や都会を思わせる曲調をベースに、ネオシティポップのカルチャーを築いていったのです。
ネオシティポップの定義は「都会的で洗練されたサウンド」と、イメージがしづらいかもしれません。
そこでここでは一般的にネオシティポップに分類される楽曲を14選まとめて紹介します。
MVをみてみると、映像にレトロな色調が使われていたり、レトロなアニメが使われているものがあったりと、1970年後半から1980年代の影響を大きく受けていることが感じとれるかと思います。
ネオシティポップといってもいろんな曲調のものがあるので、ぜひ聞いてみてください。
Vaundyは間違いなくシティポップ界で有名な新生アーティストでしょう。
彼の『東京フラッシュ』は代表作でもあります。
MVでは夜の東京をすり抜けていくVaundyが映されており、どこか懐かしさのある雰囲気で仕上げられています。
ネット発のアーティスト、ラブリーサマーちゃん。
18歳から宅録した音源をネットで公開しており、多彩なメロディーを生み出しています。
こちらの楽曲ではあえて画質を落としたシーンも取り入れ、レトロ感のあるネオシティポップに仕上げられています。
2000年生まれのクリエイター、Mega Shinnosuke。
俳優の菅田将暉も「天才」と賞賛するほどの実力派です。
彼の楽曲の多くは、あえて画質を落としているものが目立ち、本曲もネオシティポップを取り入れたレトロなものになっています。
ネオシティポップ界隈で有名なSIRUP。
こちらの楽曲も昔を思わせる雰囲気に現代的なサウンドを取り入れた、夜にピッタリの音楽になっています。
SIRUPには他にも多くのネオシティポップの楽曲があるので、ぜひ聞いてみてください。
ネオシティポップと現代ジャズをつなぐ、showmore。
バンドとしてのテーマも「夜」「都会」などになっており、ネオシティポップを思わせる楽曲を多く作曲しています。
現代っぽい佇まいで、お洒落な音楽を生み出す3人組、LUCKY TAPES。
ネオシティポップ界でも中心にいるバンドとして有名です。
2015年デビュー以来コアな音楽ファンからも評価されつつ、話題の映画の挿入歌などにも選出されています。
日本発の3人組バンド、Tempalay。
彼らの楽曲の多くもネオシティポップをベースとしたものとして、業界で有名です。
この楽曲はK-POPアイドルBTSのRap Monsterがツイートしたことでも大きな話題となりました。
前衛的な曲調で面白いので、ぜひ聞いてみてください。
結成20周年イヤーを飾る楽曲として、くるりの通算30枚目のシングルとして発表された『琥珀色の街、上海蟹の朝』。
くるり自体はロックバンドとして活動していますが、こちらの楽曲は流行のシティポップを取り入れているとして話題になりました。
この楽曲はTikTokなどのSNSを中心にヒットし、音楽ストリーミングサービスの上位にもランクインした人気楽曲です。
ネオシティポップの曲調が得意な「くじら」が作詞作曲をつとめ、歌い手の「yama」がボーカルを担当しています。
東京で虚無感を感じる生活を描いた歌詞や懐かしさのあるアニメなど、当時のシティポップを思わせるものがありますね。
神奈川県逗子市在住の女性アーティスト、iri。
彼女の楽曲はヒップホップ、オルタナR&B、ネオソウルなども取り入れ、ネオシティポップ感のあるものが目立ちます。
本曲では、冒頭の映像もあえて画質を落とし、1970年代~1980年代を思わせる雰囲気になっています。
3人組のバンドでソフトで都会的なサウンドが有名なTENDRE。
本曲もレトロな映像や少し懐かしさを感じさせる曲調が特徴的です。
ネオシティポップのイベントでも必ずと言ってもいいほど、取り上げられる有名アーティストです。
2018年8月、大学の友人同士で結成されたCody・Lee。
前衛的かつレトロで、ネオシティポップの雰囲気をにおわせる楽曲が有名です。
国内外で話題になりつつあり、動画のコメント欄でも多くの英語コメントが目立ちます。
2020年にデビューした勢いのあるアーティスト、藤井風。
彼の楽曲には懐かしさを感じさせるものが多くあり、ネオシティポップ調、ヒップホップ調、ロック調などさまざまな雰囲気のものがあります。
日本の音楽を再定義するエクスペリメンタル・ソウルバンドWONK。
メンバーそれぞれがソウル、ジャズ、ヒップホップ、ロックのフィールドで活動しており、曲調も幅広いです。
ネオシティポップ界隈でも有名なアーティストの1組であり、ネオシティポップのイベントなどでも取り上げられることが多いです。
近年、新たな勢いを見せているネオシティポップ。
定義は「都会的で洗練されたサウンド」とかなり曖昧な音楽ジャンルです。
またアーティスト自体がネオシティポップ業界で有名な場合もあれば、1つの楽曲だけがネオシティポップ調として有名だったり、さまざまなパターンがあります。
明確な決まりがない音楽ジャンルでもありますので、ぜひ色んな楽曲を試してみて、あなたのお気に入りを見つけてみてください!
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