グアテマラの新たな観光ポイント!?民間宗教・マシモン信仰の歴史とサン・シモン像
グアテマラはスペインの植民地だったので、キリスト教徒が大半を占める国です。
しかし、土着の信仰というのも多少残っており、それがキリスト教と融合している例もあります。
今回は、その中でも衝撃度No.1のサン・シモン信仰をご紹介します。
サン・シモン信仰(またはマシモン信仰)は、主にグアテマラの西部の高地(アティトラン湖周辺、ケツァルテナンゴ周辺等)で盛んで、とりわけTz'utujil(ツトゥヒル語、マヤ語の一種)のコミュニティでの信仰が盛んだと言われています。
マヤ文明の栄えていたグアテマラにはマヤの信仰がありましたが、1500年代のスペイン人の侵攻と同時に、先住民はキリスト教への改宗を強要されました。
しかし、彼らはキリスト教へ改宗してもなお、独自のマヤの信仰を大切に守り抜き、それが後に融合してサン・シモン信仰となりました。
信仰の対象となる神様の像は、メスティソ(白人とインディオの混血)の男性が着席しているもので、帽子・髭・スーツ・葉巻がトレードマークです。
信仰そのものはマヤ文化の影響が強いのですが、格好が西洋風なのは、西洋文化(キリスト教)を表しているとのことです。
祭壇は、電飾等でライトアップされておりとても派手で、一見神様には見えませんが、正真正銘の神様です。
お好きなものは酒とタバコだそうで、写真の通りタバコを吸っています。
膝の上に置いてあるお皿には吸い終わったタバコがいっぱいでした。
また、良くできた像だと、像にお酒を飲ませることができるようになっているそうです。
サン・シモン信仰は、他宗教と同様に観光客を引き寄せる材料となっています。
毎年10月28日に各地で行われるお祭りは観光名物となっているようです。
またサン・シモン像を設置している家庭は、有料で祭壇を一般公開しています。
この写真も、5ケツァル(100円弱)払って撮ってきたものです。
ケツァルテナンゴ近くの村の一般家庭の入口に「サン・シモン」と書いてあったので、「写真を撮りたい」と言い、中へ入れて貰います。
本当に普通のグアテマラの家庭の中を素通りし、サン・シモンが祭られている部屋へ。
観光客に慣れていて、毎日誰かが来ているのではないかという印象でした。
場所によっては、入場料と写真代を取る所もあるようですが、ここは良心的でした。
サン・シモン像は教会のような場所にあるわけではないので、探すのが大変です。
村の子供に「サン・シモンどこ?」と尋ねると、すぐに場所を教えてくれるので、迷うことはないかと思います。
それだけこの宗教が村に根付いているのか、もしくは訪ねてくる観光客が多いのかは分かりません。
日本人が見に行っても、嫌な顔をせずに受け入れてくれるので、グアテマラに来たら探してみるといいかもしれません。
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これまでヨーロッパ、中南米、カリブ海を中心に30か国以上を旅行。
留学、バックパッカー、鉄道旅、世界遺産めぐりなどを経験。
旅行の豆知識をお伝えします。
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