キリスト教の聖地「サンピエトロ大聖堂」から学ぶ、教会の歴史と礼拝ルール (1/2)
ヨーロッパを旅するとき、必ず出会うのが教会。
大小様々非常に多くの教会がありますが、中でもカトリック教会は特に多いですね。
出来れば出発前に簡単な聖書を読んでから出かけると、ヨーロッパの教会がより一層興味深いものになり、とても楽しめることでしょう。
今回は、知ってためになるカトリック教会についてのお話をご紹介したいと思います。
全世界に10億以上もの信者を抱えるカトリックの総本山といえば、「サンピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro in Vaticano)」。
サンピエトロは、キリストの聖人ペトロのイタリア語読みです。
ピラミッド型に組織されたカトリック教会の頂点が、このサンピエトロ大聖堂です。
ローマ法王が謁見をする時には、世界中から多くの信者が集まってきます。
サンピエトロ大聖堂を頂点とし、その次に大聖堂、その次に教会がたくさん組織されているという図式です。
大聖堂は主要な大都市には必ずあり、一般的にカテドラルと呼ばれておりますが、イタリアではドゥオーモと呼ばれています。
ドゥオーモは、丸天井という意味で、英語のドームの語源にもなりました。
大聖堂と教会の違うところは、大聖堂には司教座が置かれていて、司教様がいらっしゃるということです。
サンピエトロ大聖堂入り口に常時立っているスイス衛兵隊の創設は、西暦1506年、教会の建設を命じた教皇ユリウス5世でした。
制服の青・黄・赤は、当時のイタリアの大富豪メディチ家の色です。
教皇クレメンス7世がメディチ家出身だったことと、ローマが侵略されそうになった時に最後まで守ってくれたのがスイス兵だったという理由から、現在に至るまで、サンピエトロ大聖堂の衛兵はスイス人と決まっています。
若くて長身の容姿端麗なスイス人が選ばれているそうです。
教会建築は寄付金によって賄われているため、100年単位で建築が行われておりました。
その建築当時に流行していた様式を用いられていたので、様々な異なった様式が入り混じった教会が数多くあります。
たとえば、ロマネスク様式やゴシック様式といった代表的な様式の特徴を見ることで、どの時代に建築されたか分かります。
キリスト教初期の教会堂の円蓋や壁面は、様々な色合いの大理石の片を用いた石片モザイクが主でした。
その後の時代になると、焼き付けた色ガラスを材料とするようになります。
しかしこの色ガラス、媒体として高価過ぎたため、フレスコ画が円蓋や壁面を飾るようになっていきました。
題材は、旧約聖書・新約聖書に基づいたもので、キリストやマリア様の生涯も描かれております。
読み書きが出来ない人々にも、絵を通じてキリスト教の教えを伝えようとすることが目的だったのです。
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