彼氏と聞きたいクラシックピアノ曲6選。おうちデートやドライブBGMにおすすめ
ピアニストおすすめの、恋愛クラシック音楽を紹介。カップルや恋人同士のおうちデート、ドライブのBGMに流したい!バレンタインに聞いてイチャイチャするのもアリですね。
こんにちは、ピアニストの小川瞳です。
今回は「恋人と聴きたいピアノ曲」の特集です。
甘い気分に酔いしれる時間にぴったりな、クラシックのピアノ曲をご紹介します。
まずはサティの「ジュ・トゥ・ヴー」です。
エリック・サティはフランスの作曲家で、ドビュッシーやラヴェルとも親交があった人物。
タイトルの「ジュ・トゥ・ヴー」とは「あなたが欲しい」という意味です。
シャンソンというジャンルに属する名曲で、美しいワルツとなっています。
この曲はアンリ・パコリの詩に合わせて作曲したものですので、当然歌もあります。
「あなたの苦しみが私にはわかるの。あなたの熱意には敗けたわ。どうぞ私を恋人にしてね」というような内容になっています。
ゆるやかに流れゆく甘い響きが心地よい、まさにバレンタインにふさわしい曲といえるでしょう。
シューマンの「アベッグ変奏曲」は、少し複雑な恋です。
このアベッグという名は、シューマンの想像上の女性の名であり、ABEGGと書くのですが、ABEGGをそのまま音名に置き換えて、メロディを作っているのです。
ドはドイツ語でC、レはD、ミはE、ファはF、ソはG、ラはA、シはHで、シ♭はBとなります。
したがってABEGGは「ラ シ♭ ミ ソ ソ」という音楽になるのです。
おそらく実在していない(といわれる)女性を思って、その名をそのまま音楽にするほどの強い愛情。
ロマンチストなシューマンらしい作品で、誰かに熱い思いを抱く方にはぴったりの名曲です。
シューマンには「クライスレリアーナ」という代表曲もあります。
E.T.A.ホフマンの小説に登場する「楽長クライスラー」をイメージして作曲し、シューマンが深い愛情を注いだことで有名なクララと、物語の悲恋展開を重ねて見ていたそうです。
この作品が完成したとき、クララ宛に、以下のような手紙が送られています。
「おお、クララ。私の心には音楽が満ち溢れ、いつもこうしたメロディーが聞こえています。どうか聞いてください。これはあなたへの思慕が中心です。あなたにこの曲を捧げます。あなただけに。
きっと曲中にあなた自身の姿を見出して微笑むことでしょう」
感情の揺れ動きが細かく表現されているような、すばらしい音楽です。
夢と憧れがないまぜになった幻想的な世界を、ぜひ恋人と一緒に堪能してみてください。
ピアノの詩人フレデリック・ショパンも、恋愛を音楽で表現した作曲家です。
ピアノ協奏曲ヘ短調の第二楽章には、初恋の相手への甘い感情が込められている、と本人が語っているそうです。
とても有名な作品「小犬のワルツ」は二番目の恋人に捧げた曲で、「別れのワルツ」は三番目の恋人を思って書いた作品といわれています。
ショパンの恋人として最も有名なのが、男装の女流作家ジョルジュ・サンド(アマンディーヌ=オーロール=リュシール・デュパン、デュドヴァン男爵夫人)です。
ショパンは彼女と暮らしている時期にたくさんの名曲を残しました。
代表的なのは、「ピアノソナタ 第3番ロ短調」などです。
この曲を作曲後、ジョルジュ・サンドとの仲はこじれ出し、ほどなくして破局を迎えます。
深い愛情、悲恋、イメージ上の恋人。
音楽家の恋愛事情にも思いを馳せて、名曲に酔いしれるのも一興かもしれません。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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