イギリスの公園でスローな時間を。ロンドンが誇る有名ロイヤル・パーク3選
ロンドンの美しい街並みに彩を添えるのは、緑あふれる広大なオープンスペースです。
セントラルロンドンには、いくつかの広々とした公園があります。
園内では、サッカーボールを蹴る子どもたち、芝生で日光浴を楽しむ人、木陰のベンチで読書に耽る人と、それぞれが思い思いの時を過ごします。
今回は、ロンドン市民の憩いの場所「ロイヤル・パーク」のうち、グリーン・パーク、ケンジントン・ガーデンズ、リッチモンド・パークの3か所にスポットを当て、その見所や豆知識などをご紹介いたします。
現在、ロイヤル・パークとして一般に開放されている広大なオープンスペースは、もともと、王族が狩を楽しむために所有していた土地です。
- Bushy Park(ブッシー・パーク)
- Green Park(グリーン・パーク)
- Greenwich Park(グリニッチ・パーク)
- Hyde Park(ハイド・パーク)
- Kensington Gardens(ケンジントン・ガーデンズ)
- Regent's Park(リージェント・パーク)
- Richmond Park(リッチモンド・パーク)
- St. James's Park(セント・ジェームズ・パーク)
所在地やイベント情報などは、公式サイトで確認できます。
https://www.royalparks.org.uk/
名は体を表すと言いますが、グリーン・パークは緑が美しい公園です。
1667年にチャールズ2世がその広大な土地を手に入れるまで、周辺は決闘や一揆を起す場所として知られていました。
1554年には、メアリー1世とスペインのフィリペ2世の結婚に反対する一揆が起こったそうです。
グリーン・パークには花壇がありません。
それは一体、なぜでしょうか。
チャールズ2世が、女王以外の女性に公園内で摘んだ花を贈ったところ、それを知った女王が嫉妬のあまり、公園内の花を全て抜いてしまうようにとの命令を出したのだとか。
それ以来、グリーン・パークには花壇がないそうです。
真偽のほどは定かではありませんが、面白い逸話ですね。
公園にはいたるところにベンチがあり、好きな場所に座ることができます。
しかし、ストライプのビーチチェアに座ると、どこからともなくやって来る係員に声をかけられます。
なんと、このビーチチェアは有料なのです。
お天気の良い日なら、緑の芝生に座ってピクニック気分を味わってみてはいかがでしょうか。
芝生なら無料です。
故ダイアナ妃も暮らしていたというケンジントン宮殿を擁するのは、ケンジントン・ガーデンズです。
園内には、広々とした芝生と水鳥の集う大きな池があり、お天気の良い日には、ピクニックや日光浴を楽しむ人々が集います。
特に美しいのは、フラワー・ウォークです。
道の両脇に続く花の道を歩いて行くと、40代の若さで亡くなったヴィクトリア女王の王配、アルバート公を偲んで建てられたという「アルバート記念碑」が見えてきます。
ケンジントン・ガーデンズの一角に建つケンジントン宮殿。
外観は地味ですが、現在でもロイヤル・ファミリーが居住しており、ケンブリッジ公ウィリアム王子の一家もそこで暮らしています。
宮殿の一部は博物館として公開されています。
ヴィクトリア女王はこの宮殿で生まれ、女王に即位するまで居住しました。
若くして夫を失い、悲しみにくれた女王が亡くなるまで身につけていたという喪服の展示には、胸を打たれます。
ロンドンにあるロイヤル・パークのなかで最大の規模を誇るのは、リッチモンド・パークです。
その大部分は、草木が生い茂る自然のオープンスペースで、野生のシカをはじめ、野鳥やクワガタムシなどの生息地として自然保護区域に指定されています。
チャールズ1世は、ロンドン市内で蔓延する黒死病(ペスト)から逃れるため、1625年に郊外のリッチモンドに宮殿を建てました。
公園内に生息するのは、その時代に狩のために放たれたシカの末裔です。
運がよければ、約300頭のアカシカと350頭のダマジカを目にすることができます。
リッチモンド・パーク内にあるイザベラ・プランテーションには、100種類以上のツツジが植樹されています。
その規模はイギリス国内でも有数で、ツツジが満開の季節になると、この庭園は最も美しい姿を見せてくれます。
春だけではなく、夏にはユリやアヤメ、秋には紅葉、冬にはヒースの花と、庭園には四季を通じて楽しめるような工夫がなされています。
晴れた日にロンドンを訪れたなら、公園へ出かけてみましょう。
サンドイッチをテイクアウェーして芝生やベンチで食べるのもよし、読書をしたり、ただ、通り過ぎる人々や水鳥の姿を眺めるのもよいでしょう。
今回ご紹介したロイヤル・パーク以外にも、ロンドンには大小さまざまの公園があります。
感じのよい公園を見つけたなら足を止め、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
|
|
旅行とマーケット・蚤の市めぐりが大好きな庶民派ロンドナー。
コレクションのヴィンテージ食器を眺めている時に幸せを感じます。
ロンドン発 -庶民的生活-
http://workingclass.blog109.fc2.com/
Travel.jp「たびねす」にてガイド記事執筆中
http://guide.travel.co.jp/navigtr/707/
|
|