世界中のあらゆる情報を、瞬時に入手できる時代になりました。
「読み書きは幼稚園生のうちにマスターさせる」「英語教育は早ければ早いほど良い」など。
まるで全てクリアしなければならないかの如く迫りくる情報に、親たちのプレッシャーや焦りはどんどん膨れ上がっているように思います。
食べるのに必死という時代が過ぎ去って、半世紀近くが経とうとしています。
「健康第一」「美味しいものが食べられて嬉しい」「家族みんなが笑っていられたらいい」、このようなシンプルかつ大切な願いは忘れ去られてはいませんか。
社会が豊かになればなるほど、人間はどんどん強欲になっていくのかもしれません。
1990年代では1100件前後でしたが、90年代後半から増え始め、2000年には1万7千件、そして2013年では過去最高の7万4千件近くにものぼっています。
引用『子育てに「もう遅い」はありません』内田信子著
90年代のバブル期に、いわゆる「お受験ブーム」が到来しました。
90年代後半のバブル崩壊後もお受験ブームは続きますが、そこを機に児童虐待数も増えていると、データから考察できます。
良い教育を、様々なお稽古をと焦るプレッシャーが、児童虐待数に反映されているのではないでしょうか。
幼児教育など、親が良かれと思って子どもに押し付けていることは、本当に「今」必要なことなのでしょうか。
脳の発達や月齢に見合っていない難題を押し付けているから、子どもは出来ない・やりたがらないのではないでしょうか。
それを無理に強要したり、出来ないことを叱り付けてしまってはいませんか?
自分の子どもを信じ、「そのうち出来るようになるだろう」とのんびり構えて待つことこそ、親がやるべき唯一のことなのです。
インターネットの発展により、ここ数十年で世界は大きく変わってしまいました。
私たちの生活も様変わりしました。
かといって我々人類も、この数年の間にめまぐるしい進化を遂げたのでしょうか。
こんな短期間では、人間の本質は何一つ変わりません。
つまり子どもの育て方も、昔ながらのやり方が丁度よいということです。
これはお茶の水大学や筑波大学などの国立付属幼稚園、小学校などで研究されており、データとして証明され話題となりました。
この他にも、乳幼児期の絵本の読み聞かせ、おままごと、お絵かき、かけっこなど。
私たちが当たり前のようにしてきた遊びこそが、脳の発達を活発にし、人間としても大きく成長させる要因となるのです。
様々な通信機器の発達なども手伝って、私たちの生活は気が付かないうちにどんどん速度が上がっています。
あらゆる場面でスピードを求められ、「1日が24時間じゃ足りない!」というような言葉もよく耳にします。
子どもが子どもでいられる時間は、それこそあっという間に過ぎ去ってしまいます。
多少の失敗にばかり気をとられ、怒ってばかりいては悲しいですね。
のんびり、ゆっくり待つことが出来ることこそ立派で賢い「いい親」であり、いい親に育てられた子どもは「いい子」に育ちます。
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