海外旅行の楽しみは、美術館や歴史ある建造物巡り、町並みを歩くことも勿論ですが、 現地のスーパーマーケット巡りも楽しみの一つ。

 

特に、美食の国イタリア旅行のお土産には、イタリアならではの食材、ワインやチーズ、パスタなどを、旅の思い出に買い求める方が多くいらっしゃいます。

そんなイタリアへ秋以降の季節に訪れる方に、是非ともお勧めしたい場所があります。

搾油所へ一歩足を伸ばして、本物の搾り立てオリーブオイルをお土産にされるのはいかがでしょうか？

 

 

地方により若干異なりますが、イタリアでは、毎年9月下旬からオリーブ収穫＆搾油が始まります。

私の住んでいる南イタリア カラブリア州では、たいてい10月中旬頃に搾油所が動き始めるのが一般的です。

 

特にオリーブの生産が盛んな南イタリアでは、どんな町にも市役所があり、学校があり、銀行があり、スーパーがあるのと同じように、搾油所があります。

ほとんどの搾油所が、オリーブ収穫者が持ち込んだオリーブを搾油にかけるために存在します。

 

オリーブは、収穫してからすぐに搾油にかけないと、酸化が進んでしまうと言われています。

ですので、オリーブ収穫者は、収穫を始める前にまず、搾油所へいつ搾油機を利用できるか確認・予約してから、収穫を開始するのが普通です。

 

 

南イタリアのカラブリア地方は、プーリャ州に続いて、オリーブオイルの生産量が多い地域で、見渡す限りオリーブ畑という景色を見ることが出来ます。

 

 

南イタリアでは、自家オリーブ畑を持っている人が、非常にたくさんいます。

ですが、近年、特に田舎町では、過疎化と高齢化が進み、オリーブ畑を持っていても収穫できない人が多くいます。

 

この季節だけ、オリーブ収穫をして、生計を立てている人もいるので、人に依頼しオリーブを収穫する人も多くなってきました。

 

オリーブ畑がない人でも、搾油所からオリーブオイルを購入する方法、またオリーブを収穫した人からオリーブを購入し、搾油所に持ち込む方法があります。

 

出来上がったオリーブオイルを購入するより若干値段がお手ごろな上、買った自分の好みのオリーブ(品種や熟し具合)を原料とするので、自分の好きなオリーブオイルになります。

 

 

オリーブオイル「ノベッロ」とは、収穫初期に若摘みされたオリーブを搾った、新オイルのこと。

収穫が始まったばかりの時期しか見られない、贅沢なオリーブオイルです。

 

通常ボトル詰めで販売されているオリーブオイルとは異なり、オリーブの細かい果肉が含まれていて、濁っていて、心地よい苦味と、舌に残るピリッとした味が特徴的。

 

果肉が含まれていることにより、よりオリーブ本来の味や香りが楽しめるので、出来立てのオリーブオイルとパンで味見をしてみるのがお勧めです。

 

初秋にいらっしゃる方へは、ぜひ旬のオリーブオイル「ノヴェッロ」をお土産にどうぞ。

 

 

搾油所の中には、お客さま用にボトルを用意しているところもありますが、中には地元の人しか訪れない搾油所もあります。

 

その場合、自分であらかじめ容器を用意しておく必要があります。

 

 

また、搾り立てのオリーブオイルは、オリーブの果肉が含まれていて濁っています。

通常販売されているオリーブオイルは、ろ過やデカンテーション（1ヶ月程度休ませておき、自然に濁りを沈ませる方法）をしたものなので、濁りがあまりありません。

 

ろ過されていないオリーブオイルは、オリーブ本来の香りを楽しめるものの、早く消費しないと劣化が進んでしまうと言われています。

このようなオイルは、旬のものなので、大切にとっておくのではなく、美味しいうちに早く味わってしまうのが一番です。

 

購入する前に、ろ過されたものか、そうではないか、あらかじめ確認することをお勧めします。

 

 

美食の国イタリアでは、消費と生産の距離がとても近いです。

スーパーマーケットだけでなく、一歩足を伸ばせば、生産者から直接買うことが簡単にできるのです。

 

ぜひ本場のオリーブオイルを味わってみてくださいね。