最高の保湿成分「セラミド」の種類と役割効果について解説します。ヒアルロン酸やスクワランなど、よく化粧水に配合される成分との効能比較も。
こんにちは、スキンケアカウンセラーの松原好克です。
次から次へと登場する目新しい化粧品成分、本当に効果的な成分はどれなの?
そんな多くの疑問の声にお応えして、エビデンス(科学的根拠)が高い化粧品美容成分を、定期的に解説しております。
今回取り上げるのは保湿成分「セラミド」。
まずは、セラミドを理解することから始めましょう。
セラミドは、皮膚の角質層内に存在し、主に「水分保持機能」と「バリア機能(刺激や紫外線などの外的影響から肌を守る働き)」を担う、スフィンゴ脂質と呼ばれるものです。
この2つの機能のメカニズムは、セラミドが角質細胞と角質細胞の間で結合水分子(細胞間脂質)の役割をして、ラメラ構造を形成していることにあります。
ラメラ構造とは、水-角質細胞-水-角質細胞-水-角質細胞…というように、ミルフィーユのように規則正しく交互に重ねられた組織層を指します。
出典:http://www.kao.com/jp/skincare/structure_03.html
ちなみに、セラミドは、細胞間脂質の主要成分であるスフィンゴ脂質の約50%を占めており、他には、コレステロールエステルが約15%、コレステロールが約5%、脂肪酸が約20%などとなっています。
つまり、セラミド環境の良し悪しによって、肌の健康が左右されると言っても過言ではないのです。
スフィンゴ脂質の命名
セラミドを中心とした「スフィンゴ脂質」は、エジプト神話やギリシャ神話などに登場する、ライオンの体と人間の顔を持った「スフィンクス」の問い掛けるミステリーに因んで、1884年、ドイツの医師J.L.W.Thudichumによって名付けられたそうです。
化粧品成分のセラミドは、人間の皮膚に存在するセラミド(細胞間脂質)に限りなく近い物質を、化粧品用に精製加工した成分です。
ヒアルロン酸やコラーゲンなど、様々な保湿成分がありますが、セラミドが最も保湿力が高いと言われています。
私が所属する団体(セラミド研究会)が編集を行った著書「セラミド-基礎と応用- ここまできたセラミド研究最前線」には、以下のような実験結果が掲載されています。
同時に、ラメラ構造内の結合水分子そのものを増加させる効果があることも、示差走査熱量測定で証明されました。
<参考文献>
川添辰幸『セラミド-基礎と応用- ここまできたセラミド研究最前線(編集:セラミド研究会) P128-129』(食品化学新聞社、2011年10月1日発行)
上記のエビデンス(科学的根拠)等を元に、化粧品成分のセラミドがもたらす効果・効能を挙げてみました。
- 乾燥を防ぐ
- 肌荒れを防ぐ
- 水分を保つ
- 潤い感をアップさせる
- バリア機能をサポートする
- キメを整える
- 健やかな肌へ導く
セラミドが良い成分であることは、お分かりいただけたと思いますが、セラミドには複数の種類があり、それぞれ化学構造も違います。
次の表にまとめましたので、ご覧ください。
<参考文献>
山科峯緒『化粧品成分用語事典2008』(中央書院、2008年2月15日発行)
セラミドと、他の保湿力があることで有名な成分を、わかりやすく比較してみました。
★が多いほど、効果が高いことを意味します。
セラミドがいかに優れた成分であるかが、お分かりいただけたと思います。
セラミドが配合された化粧品の選び方も学んでいきましょうね。
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