真珠のネックレスのお手入れ&メンテナンス方法をご紹介。パールは繊細な宝石。糸替えや、良い修理のお店の選び方、使用後の保管方法など、詳しくご説明します。

真珠のネックレスのお手入れ&メンテナンス方法

こんにちは、リングプランナー飯田馨です。


日本では、冠婚葬祭のアイテムのひとつに「パール(真珠)のネックレス」があります。

春は卒業式や入学式などもあり、身につける機会が増える方も多いと思います。

 

 

ところで、使用前に、お持ちのパールネックレスの状態を点検していますでしょうか?
パールネックレスは、真珠をつないでいる糸が使用頻度や経年劣化により弱くなります。

もし、身につけている最中に糸が切れたりしたら、とても大変ですよね。

 

今回は、パールネックレスについてご紹介します。

糸替えのタイミング
目安は2~3年に1度

ひとつの目安としては、留め具を外した状態で、片方の留め具の部分をつまんでネックレスを垂らします。

珠が下に寄り下がった状態で、糸が球1個分見えていたら切れやすい状態ですので、そのまま使用せずに糸替えをしてください。

 

半球分もしくは糸のほつれが目立つようなら、糸替えをお勧めします。

 

 

糸替えにかかる期間は、1週間~1カ月

糸替えの修理にかかる期間は、1週間~1カ月くらいと店によって異なります。

使う日が決まっている場合は、早めに糸替えをしましょう。

 

糸替えは、どこに依頼すればいい?

基本的には、購入店で修理の相談をしてください。

 

ただ、店が遠方だったり、譲り受けたものであれば、信頼できそうな宝石店もしくは工房に相談してみましょう。

「糸替え修理」とわざわざ書いて無くても、通常対応できます。

 

良いお店の見分け方

ここで注意して欲しいのは、ただ預けるだけでは駄目ということです。

 

担当者が目の前でネックレスの珠数を数えたり、珠の大きさ、糸なのかワイヤーなのか、クラスプ(留め金具)の状態など細かくチェックして説明してくれるなら、良心的な対応と言えます。

 

真珠をつなぐ糸の素材

主に、次の3種類が使われています。

 

絹糸

絹糸は、伸縮性があり、肌に添うように柔らかにつけられるという特徴があります。
ただ、自然素材のため、定期的な糸替えをする必要があります。

 

ワイヤー素材

よほどの強い力が加わらないと切れないため、頻繁に変える必要はありませんが、伸縮性が低く、通常は肌なじみを良くするために、真珠と真珠の間にシリコンクッションを入れます。


注意して欲しいのは、ワイヤーも切れます。

伸縮しない分、ネックレスを屈折させたりすると金属疲労となり、切れる原因となります。

 

ポリエチレン製糸

また、最近は耐久性があり、柔らかいポリエチレン素材の糸を使用するケースも出てきています。

 

パールネックレスのつなぎ方

通常、真珠のネックレスは、金具の部分から左右3箇所ずつ「ノット」と呼ばれる結び目を作り、ネックレスが緩まないようにします。


また、すべての真珠と真珠の間に1つずつノットを入れて行く方法もあり、「オールノット」と呼ばれています。

オールノット仕上げの場合、糸が切れたとしてもパールが飛び散らず、最小限の被害におさえることができます。

 

身につけた後のお手入れと保管方法
  • 真珠は、身につけた後、必ず拭く
  • 極端な乾燥、湿気のある場所に保管しない
  • 紫外線に当て過ぎない
  • 硬いものに強くぶつけたりしない

  ダイヤモンドや硬度の高い宝石と一緒に保管するのはNGです。

  • 留め具が正常に機能するのを確認する、など

 

 

真珠のネックレスは、水洗い可

真珠の光沢が落ちる原因は、酸とアルカリが、真珠の主成分である炭酸カルシウムとたんぱく質を痛めるからです。

もし付着してしまった時には、すぐに水で洗い流し、そのあと乾いたら柔らかい布でよく水分をふき取ってください。


絹糸などは水分を含むと糸の劣化が早まりますが、心配されるほどではありません。
ワイヤーは、付着した残水が原因で、ワイヤーが酸化して汚れる場合があります。

おわりに

母から娘へ、娘から孫へと大切に受け継がれるパールネックレス。

 

真珠をつなぐ糸が劣化してしまう前に、定期的に糸替えをすることは、大変重要なことなのです。

安心して長く愛用し続けるためには、専門家に相談しながら、適切にメンテナンスを行っていくことが大切です。

この記事を書いたコラムニスト

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