ウィーンでオペラ、コンサートを見る時に知っておきたいマナー・ルール5選

音楽の都ウィーンを訪れたら、一晩はオペラ座やコンサートホールで音楽を満喫したいものです。そんな時に知っておきたいマナーやルールをまとめました。

執筆者: Hyoro

音楽の都ウィーン

訪れたら一度は、世界最高峰のウィーン国立オペラ座でオペラを楽しみ、ニューイヤーコンサートで有名な楽友協会でコンサートを聞いてみたいという方も多いのではないでしょうか。

 

クラシックファンにはたまらない町、ウィーンで、オペラ、コンサートを見る時の注意事項をご紹介します。

 

Photo by Peter Haas

 

チケットの予約方法

 

インターネットでの予約

オペラやコンサートを見るにはまずはチケット予約です。

 

事前に見たい演目が決まっている場合は、インターネットでの予約が可能です。

多くのサイトではEチケットで印刷することができますので、現地でのチケット受け取りや郵送などの手間を掛けず、手軽に予約することができます。

 

演目は春ごろに、同年秋~翌年夏にかけてのシーズンが発表されることが多いですが、予約自体は数か月前からスタートします。有名歌手や指揮者などの人気公演は発売直後に売り切れますが、それ以外の通常の公演は数日前でも残席がある場合も多いです。

 

現地でのチケット購入

現地で購入したい場合は、劇場内や劇場近辺の公式チケットオフィスで購入できます。

また、多くの公演は当日立ち見券が出ますので、開演1時間ほど前に並んでチケットをゲットすることも可能です。

 

また、ウィーンの街角で見かける、モーツァルト風の衣装を着た人たちは、観光客用のコンサートなどのチケットを販売している人たちです。

ウィーンらしい音楽を手軽に楽しみたい方は、衣装を着た売り子さんからチケットを買うのも一つです。

 

売り子さんに関する大きな問題は聞かれませんが、時には額面以上の金額で売りつける場合もあるようですので、気を付けてくださいね。

 

座席の種類

 

ウィーンの劇場は、日本の劇場と形状が異なり、馬蹄形になっています。

劇場自体の奥行きが狭く、大きな劇場でも舞台のと一体感が味わえる親密な作りです。

平土間Parkettは日本の1階席に相当します。

2階以上の席は平土間の周りを馬蹄形に取り囲んであり、ボックス席が多数みられます。

 

劇場の形状からして見切れる席もありますが、破格の値段で購入できることが多く、音楽ファンには見切れ席や天井桟敷席が人気です。

 

ドレスコードがある?

 

さて、劇場に行くことが決まったら、次は服装です。

これはなかなか奥の深い問題ですが、大まかにこのように考えておくといいと思います。

  • チケット代が1万円以上:特別な公演や、平土間の良い席に座る場合が多いですので、女性は結婚式の二次会に着ていくようなワンピース、男性はスーツがおすすめです。
  • チケット代が5000円以上:一般的な公演や、上階の後方席であることが多いですので、女性はワンピースやスカート、男性は男性はネクタイとジャケット着用がおすすめです。
  • チケット代が5000円以下:気軽に見ることのできる公演や、見切れ席、立ち見等目立たない位置であることが多いですので、女性はスカートや黒地のパンツにストールを合わせるなど、男性はジャケット着用がおすすめです。

 

なお、どの席種であってもスニーカーやTシャツ、デニムのジーンズなのはNGですので、お気を付けください。

立ち見席等で突然観劇することになっても、濃い色のパンツや靴、ストールなど、何とか手持ちの服で精一杯工夫してオシャレしてみてくださいね。


また、あまり知られていませんが、劇場内は冬場でもかなり暖かくなります。外は寒くても、下着まで暖かくしてしまうと、劇場内では汗をかくことになりますので、重ね着で対応しましょう!

劇場についてから開演前にするべきこと

Photo by Smtunli, Svein-Magne Tunli

 

1.劇場には余裕を持って到着しましょう。

国立オペラ座や楽友協会の豪華な内装にため息をつき、ゆったりと階段を上ると、気持ちはハプスブルク時代の貴族です。

2.チケットを係員に見せ、席の位置を教えてもらいましょう。

聞いただけでわからなければ、別の係員に見せると、席まで連れて行ってくれます。

3.荷物は全てクロークに預けましょう。

ウィーンの劇場では、劇場火災の経験から、劇場内のルールが厳しくなっています。特に不要なものはすべてクロークに預けるというルールは徹底しています。

基本的には、コートやジャケットなどの上着と、ハンドバッグ以外の荷物は全てクロークに預けます。

 

ボックス席に座る場合は、ボックス内にコートかけがありますので、クロークの利用は不要です。

クロークは前払いの事が多いので、小銭を用意しておきましょう。

4.開演前にプログラムを購入し、さっと目を通すのも楽しいものです。

国立オペラ座で購入できるプログラムには、後ろの方に日本語のあらすじも書いてありますので、ストーリーの予習にどうぞ。

観劇中、観劇後

Photo by  Li Sun

 

観劇中のマナーは日本と同じです。

国立オペラ座は客席一席ずつに、フォルクスオーパーでは舞台上部に、英語字幕が付いています。こちらを使ってストーリーを把握するのも一つの手です。

幕間はビュッフェコーナーなどで談笑しながら、感想を語り合うのも良いでしょう。シャンパンやワイン、ちょっとした軽食などを注文することもできます。

カーテンコールではブラボーの声が飛び交うこともあり、人気歌手の公演などでは長引くこともあります。

 

ウィーンでは最後まで着席していることにはこだわりませんので、電車の時間がある等で急いでいる場合にはそっと席を立っても構いません。

おわりに

ウィーンの劇場シーズンには夏休みがあり、7,8月は公演がありませんので、注意してくださいね。
観光客向けの手軽なコンサートは夏期も開催されています。

 

音楽や舞台を楽しむという気持ちを持っていれば、基本的な観劇マナーやルールは洋の東西を問いません。

しっかり準備して、気負わず、リラックスして音楽の都を満喫してくださいね。

 
 コラムニスト情報
Hyoro

国際機関勤務を経て、現在は二児の子育ての傍ら、ウィーン大学博士課程に在籍中。ライター業、翻訳レビュー、ネットショップ、写真撮影など、活動は多岐にわたる。ウィーン在住10年以上。
ブログ「舞台はウィーン!」http://wienok.blog119.fc2.comにて、ウィーンのミュージカル情報を発信中。