自宅で簡単に作れてしまう天然ハーブの薬効がたっぷり詰まった化粧水があるんです! 別名“ハンガリーウォーター”とも呼ばれるこの化粧水、アロマセラピーの歴史を勉強すると必ず出てくるほど有名で、「若返りの水」と呼ばれる、こんなエピソードもある位なんです。


14世紀のヨーロッパ、リウマチを煩っていた70歳を越えたハンガリーの王妃、エリザベートはリウマチの治療薬として使用していた“ハーブウォーター”をつけ続けていると、リウマチも良くなり、更に王妃の容姿も日ごとに若返って行くのでした。そしてついには隣国の若き王子からプロポーズされる事となったのです。のちにこのハーブウォーターは「ハンガリーウォーター」と呼ばれるようになりました。

当時は香りがとても良いので、香水としても使われていたハーブウォーター。使われているレシピを見てみると、これが若返りの水と言われている所以が納得できます。このハーブウォーターに使われている以下の4種のハーブ、特に血行促進と収れん作用(毛穴の引き締め)に優れているのです。

■1. ペパーミント
緑茶、赤ワインなどにも含まれるポリフェノールの一種であるタンニンを含み、毛穴を引き締める、収れん作用があります。抗酸化力もある事から、動脈硬化を防ぎ、生活習慣病予防にも効果を発揮します。

■2. ローズマリー
ロスマリン酸を主成分としており、こちらもポリフェノールの一種です。また、ローズマリーは血行を促し、新陳代謝を促します。ローズマリーも収れん作用の強いハーブです。頭皮の血行促進や育毛効果もあり!

■3. ローズペタル
フラボノイド、タンニン、ペクチン、ビタミンCを含みます。植物繊維としてのペクチンの特性は、整腸作用があり、血液中のコレステロールを下げ、中でも悪玉と呼ばれているLDLを下げる働きがあります。

また、ローズには鎮静作用があり、その優美な香りで気持ちを落ち着かせ、心身をリラックスさせてくれます。女性ホルモンのバランスを整え、弾力のある美肌へと導きます。

■4. オレンジピール
オレンジの果皮を乾燥させた物で、ビターとスイートの2種類がありますが、ビターの方が薬効に優れています。主要成分はリモネンとビタミンC。リモネンが胆汁の分泌を促進し脂肪の分解を早めてくれます。ビタミンCはコラーゲン形成を助け、肌の弾力を増してくれます。

これだけたくさんのお肌に良い効能のある4種のハーブの薬効成分を抽出していくのですが、作り方はとっても簡単です。

まず、300ml強の空き瓶を用意します。(瓶は一度煮沸消毒しておきます)その中に、ミネラルウォーターを200ml注ぎます。そして、4種類のハーブをそれぞれ次の分量入れて行きます(ペパーミント10g、ローズマリー10g、ローズペタル5g、オレンジピール5g)そして最後に無水エタノールを100ml注ぎます。

ふたをして軽く瓶を振り、ハーブとアルコールを馴染ませます。このまま冷暗所に置いて、約1ヶ月間熟成させて、でき上がりです! ポイントは1日一回ハーブとアルコール水を馴染ませるように瓶を振る事! 1ヶ月間冷暗所に置いておくだけで十分にハーブの薬理効果のある芳香成分がアルコールに移っていきます。

はじめはエタノールの香りがつんと鼻につきますが、次第にアルコール分が蒸発してまろやかでハーブの熟成された芳醇な香りになります。(香水としても使用されていた所以ですね)

1ヶ月後、瓶の中のハーブを茶こしでこし、ガーゼなどで残りを絞り出します。そのガーゼに残ったハーブは輪ゴムなどで口をしっかりと閉じ、お風呂に浮かべてもいいですよ。また、エタノールはウォッカなど度数の高めのアルコールでも代用できます。

最後にハーブウォーターの使用方法ですが、原液を化粧水として使う場合は、約5倍~8倍にミネラルウォーターで薄めて使用します。また、このハーブウォーターのよいところは、アルコールで抽出してあるので、約2年は持つのです。

また、原液をそのままお手持ちのクリームに混ぜてもいいですし、クレイパックを作るときにお水の代わりに混ぜても香りも引き締め効果も上がりオススメです。

アメリカでは、このアルコールでハーブを抽出した液はハーブティンクチャーと呼ばれ、ハーブ専門家の処方のもと、薬として服用もされているんです。

質、量、香り、そしてその効能も素晴らしい100%天然のハーブウォーター、ぜひ一度ご自宅でも作ってみてはいかがでしょうか? 

(Haruko Wu)

この記事を書いたコラムニスト

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