ピアニスト推薦!戦争や反戦がテーマのクラシック音楽6選(マイナー編)
プロのピアニスト推薦の、戦争に影響を受けたクラシック音楽をチョイス。重厚な音楽はやる気アップに役立つかも!
こんにちは。ピアニストの小川瞳です。
今回は、「あまり一般には知られていない、戦争の影響を受けているクラシック音楽」をご紹介したいと思います。
大木正夫の作品には、戦争や政治問題が背景になっているものが多くあります。
特に交響曲第5番「ヒロシマ」や、カンタータ「人間をかえせ」は、思想がダイレクトに反映されているような音楽です。
ペンデレツキの「広島犠牲者に捧げる追悼歌」は、フジテレビのテレビ番組「本当にあった怖い話」のBGM
として使用されていることでも有名です。
ペンデレツキは、ポーランドの作曲家・指揮者ですが、この曲の日本初演の際に日本人作曲家の松下眞一と話し合った末、この曲を「広島犠牲者に捧げる追悼歌」と題することにしたそうです。
とても現代的な手法で書かれている音楽です。
同じくポーランドの作曲家グレツキの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」は、オーケストラとソプラノ独唱のための作品で、演奏時間が54分にも及ぶ大曲です。
歌詞は、ラメント(嘆き歌)や、ゲシュタポ収容所の壁にかかれた言葉や、民謡からとられています。
ブリテンの「戦争レクイエム」も有名です。
ブリテンは、日本でも「日本ブリテン協会」が発足するほど人気のある作曲家です。
能楽の「隅田川」を鑑賞して「カーリュー・リヴァー」を作曲したり、NHK 交響楽団を指揮したことでも知られます。
この「戦争レクイエム」は、大変な平和主義者であるブリテンの「戦争が二度と繰り返されないように」という祈りがこめられています。
チャイコフスキーの「大序曲1812年」は、戦争の様子をそのまま音楽で表している作品です。
1812年に、フランス帝国のナポレオン1世がロシアに侵攻し、敗北し、退却するまでの様子を、如実に音で描いています。
大迫力のクライマックスには「cannon(大砲)」という指示があります。
実際の演奏会では、大砲の音をスピーカーから流したり、力強い打楽器で大砲の代わりの音を出していますが、なんと日本の陸上自衛隊では本物の大砲を使って生演奏をしています。
クラシックの音楽家は、その時代の状況を音楽で表したり、音を使って思想を訴えたりしていることが多々あります。
特に、表現の自由がない時代、ない国では、言葉を使わない音楽だからこそ、反戦の表現ができたり、戦争の犠牲者を追悼することができたりしたのでしょう。
学校の課題として、クラシック音楽鑑賞がテーマになることも多いようですね。
鑑賞レポートを書く際にも、「戦争をテーマにした作品」など、はっきりとした特色があると、まとめやすいかと思います。
ぜひ、古くから受け継がれてきたクラシック音楽を聴いて、作曲家の並々ならぬ思いを感じ取ってみてください。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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