天才?理解不能?斬新過ぎる現代音楽(20世紀クラシック)の歴史と特徴 (1/2)
こんにちは、ピアニストの小川瞳です。
今回はクラシック音楽の歴史について、簡単にご説明いたします。
まず始めに、クラシック音楽というと「昔の音楽」というイメージになるかと思います。
しかし実は、現代でも新しいクラシック音楽が誕生しています。
つまり、現代にもクラシック音楽の作曲家が存在するわけです。
もちろん、現代の作曲家は、モーツァルトやベートーヴェンとは異なった音楽性の作品を作曲しています。
それでもポップスやロック、ジャズではなく、クラシック音楽なのです。
そのような「現代のクラシック音楽」、1920年頃からのクラシック音楽は、現代音楽という区分になります。
現代音楽は非常に斬新な音楽です。
メロディがなかったり、美しい響きではなかったり、普通に聴いていると音楽とは思えないこともあるかもしれません。
アメリカの音楽家、ジョン・ケージの無音の音楽という曲まであります。
これは通称「4分33秒」と呼ばれる曲で、最初から最後まで音を出さない音楽なのです。
楽譜には、全楽章を通して休止するように指示が書かれているだけなので、演奏者は舞台でこの曲を演奏する時も、何も弾かないのです。
「4分33秒」の楽譜(wikipediaより引用)
演奏する楽器も指定はなく、ピアノでもヴァイオリンでも管楽器でも、あらゆる楽器での演奏が可能となります。
こういった前衛的な作品が、現代音楽には存在します。
「楽譜そのものを芸術としてみる」という概念もあります。
エルヴィン・シュールホフは「五つのピトレスケ」の第三曲で、音符ではなく顔文字を使用し、顔文字と休符のみで楽譜を書いています。
アルフォンス・アレーは「耳の不自由なある偉人の葬儀のために作曲された葬送行進曲」という曲を作りました。
この曲はなんと、小節が空白になっています。
また、ディーター・シュネーベルの「モノ」というは曲は、なんと演奏すらなく、楽譜(本)を読んで演奏を「感じる」といった、一般的にはなかなか摩訶不思議な音楽となっています。
映画音楽は分類が難しいジャンルですが、ポップスではないとされる場合は、クラシック音楽の現代音楽に区分されることも多々あります。
例えば、映画「ピアノ・レッスン」のピアノ協奏曲。
映画「戦場のメリークリスマス」や「風の谷のナウシカ」の音楽などが挙げられます。
先に書いたように、現代音楽は非常に難解です。
基本的に、メロディーもハーモニーも存在しない音楽が、現代音楽なのです。
こうなるとなかなか一般的には受け入れられません。
20世紀以降のクラシック音楽は、世間にあまり浸透せず、その代わりかと思えるほど、ここ100年ほどで他のジャンルの音楽が発達しました。
ポップス、ジャズ、ロックなどが大きく発展したのは、クラシック音楽が一般的には理解しにくい、特殊な音楽となってしまったからだと言われているのです。
しかし、それらのジャンルの音楽も、実は19世紀のクラシック音楽を基礎としています。
それぞれにそれぞれの特色はありますが、基本としてはクラシック音楽が築き上げた和声が基となっているのです。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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