ピアノの演奏を華やかにするペダルの効果!狙った音を出す踏み方(使い方)とタイミング

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
はじめに

こんにちは、ピアニストの小川瞳です。

 

今回は、ピアノ演奏においてとても重要な役目を持つ、ペダルについてお話します。
ペダルは、的確に使用すると演奏が華やかになったり、響きを豊かにしたり、音と音のつなぎが滑らかになったりと、とても大きな効果を発揮します。

そのため、ペダルの使用は必要不可欠といえます。

 

しかし活用箇所を間違えたり、タイミングがずれると、不協和音のように、美しくない響きになってしまいます。

 

 

ペダルの基本的なルールとハーモニーについて

ペダルの基本的なルールとしては、ハーモニーが変わったら必ず踏み替えること。
その踏み替えるタイミングは、ハーモニーが変わる直前です。
ハーモニーが変わってからでは、一瞬音が濁ってしまうのです。

 

ハーモニーとは響きの種類

ハーモニーというのは、簡単にいうと響きの種類です。
同じ種類の響きであれば、たいていはペダルを踏みっぱなしでも、音が汚くなることはないはずです。

例えて言うなら、黄色と橙色を混ぜると、どのような分量であっても色が濁るということはありません。
しかし、響きの種類が違うのに、ペダルを踏み替えないと、必ず音は汚い響きとなってしまいます。
これは黄色に黒色を混ぜるような現象です。
どんなに気を付けても、元の色より綺麗な色になるとは思えません。

 

音楽の種類によってペダルの使用頻度は違う

ただハーモニーの変化にだけ気を付けて、踏めば良いというわけでもありません。
メロディーの中に、音が重なると不協和音となってしまう音と音がつながっているかもしれませんし、ペダルを踏むと音が途切れないので、リズム感など音楽の表情を逆に失ってしまう危険性もあるためです。

歯切れの良さが必要なフレーズには、あまりペダルを多用しないで下さい。
逆に、ピアノの音色の美しさを最大限活かしたくなるような、歌うようなメロディには、是非ペダルを使ってみましょう。
迫力のある和音を用いる際、手が小さくて和音をアルペジオにして演奏する際にも、ペダルはとても効果的です。

 

ピアノの種類・会場・靴で音が変化する

ペダルはピアノによって、どの程度効果が発揮されるかが異なります。
軽く踏むだけでも敏感に反応するピアノもあれば、しっかりと下まで踏まないとペダルが活きないピアノもあります。

会場の作りや広さによっても、響き方が異なってきます。
家のピアノで練習してきたようにペダルを踏んでも、良く響く会場では、一つ一つの音の輪郭がぼけてしまう可能性もあります。

それではペダルを多用し過ぎということになるのです。
そのため、常に自分の耳で、ペダルがクリアになっているかどうか確かめる必要があります。

 


また、靴の踵の高さも大きく関係しています。
ペダルに慣れるまでは、あまり高いハイヒールは避けた方が無難でしょう。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

大切なことは、自分の耳で美しい響きが出ているか分かるようになることです。

あまり怖がらずにペダルを使って、どんどん慣れていって下さいね。

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
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