はじめに

こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。


柔らかな風が吹き、植物も芽吹き、春の香りがしてきました。
暖かな春の訪れは、誰しもが心をワクワクさせますが、季節の変わり目は体調を崩しがち。
心身ともに養生し、新しいスタートを気持ちよく過ごしましょう。


今回は「春の養生法」をご紹介します。

 

 

季節の特徴

春は心身ともに新しく生まれ変わる季節。
自然界も活発に動き出し、陽の気も満ちてきます。


身体は、冬に溜まったものを排出しようとして不調が現れやすく、また、環境や社会での変化も多く、心も不安定になりやすい時期です。

 

ストレスや気持ちを押さえ込まず、心身ともに開放的に、のびのびと過ごすことが大切です。

春のトラブルの原因

 

春のトラブルの原因は「風・ストレス」。

 

春一番が吹くように、春は強い風が吹く季節。

中医学的には、この「風」が身体に影響を及ぼし、春の体調不良の原因になると考えます。


この季節の不調は鼻水、目のかゆみ、頭痛、皮膚の症状など、表面にあらわれるものが多く、突然悪くなる、症状がすぐ変化するなど、風が吹き荒れるように変わりやすいのも特徴です。

 

ストレス

自然環境、社会など変化の多い春。

これらの変化は、人に「ストレス」を与えます。
春はイライラ、落ち込み、やる気がでないなど、精神的に不安定になりやすいとき。


「風」の影響もあり、「気」も上がりやすく、感情は乱れがちです。
また、ストレスは気の巡りを滞らせ、身体の様々な不調の原因になります。

春の養生法

 

春の睡眠について
  • 早く起きる

陰が強く静かな冬から、陽が増し活発な春へとシフトする時。
朝は早く起きるようにし、体を慣らしていきましょう。

 

  • 昼寝は控えめに

また、春は無性に眠くなる時期ですが、昼寝はなるべくしないように。
この時期に昼寝を多くしてしまうと、冬から春へと、なかなか身体が目覚めることができません。


眠くなったら、体を動かして眠気を解消しましょう。

 

自然の陽気をたっぷり吸収

春、自然界は新しい陽気で満ちてきます。
外を散歩し、太陽を浴び、深呼吸で新芽の香りを感じ、新鮮な自然の陽気を、たくさん体に取り入れましょう。


1日の中でも特に新鮮な朝の陽気。

通勤時間、少しでも自然の変化を感じてみてください。

 

気温の変化に注意し、急に薄着をしない

三寒四温といわれるように、初春は温寒の変化が激しいです。
暖かくなると、つい薄着をしたくなりますが、急な体の冷えは万病のもと。


不調の原因である「風」が身体に入り込まないように、マスクやストールなどで予防しましょう。

 

ストレスを発散させる

トラブルの原因でお話したように、春はストレスを受けやすく、精神的に不安定になりやすい季節。

 

ストレスは気の巡りを滞らせ、身体の様々な不調を引き起こします。
気持ちを押さえ込まず、ストレスを上手に発散させ、のびのびと過ごすことが大切です。

 

  • 深呼吸やストレッチで体の緊張、心の緊張をほどく

リラックスした服装を心がけ、香りのよいものでリフレッシュし、気の巡りを良くしましょう。
ミントティー、ジャスミンティー、シソ茶、バラ茶などで、香り高いお茶がお勧めです。

 

老廃物を出す

春の身体は、冬に心身に溜まった老廃物を排出し、新しく生まれ変わろうとします。


この時期に起こる様々なトラブルは、隠れていた不調が現れたもの。
老廃物を排出する働きを助け、不調のもとを出し切ってしまいましょう。


身体が自然とデトックスしようとする春は、まさにダイエットや美容ケアに良い季節です。
自然の流れに便乗して、美しさも磨いてしまいましょう。

 

  • 適度な運動をし、巡りを良くする

老廃物のたまりやすい下半身をよく動かすことで、利尿、快便、代謝をアップさせましょう。

 

足裏やおへそ周りをマッサージし、排出力を助けましょう。

旬の新芽のものを食べる。新芽の苦味には解毒作用があります。

(山菜、新茶、たけのこ、せり、など)

暖かいお茶を飲む。

 

旬の食材を摂る

春は新鮮な野菜がたくさん出回ります。
冬の不足分を補い、老廃物を排出するためにも、新しいエネルギーたっぷりの新鮮な旬野菜、果物を十分に摂りましょう。

おわりに

春の養生法、いかがでしたか?
気持ちも新たな春。

心身を整え、軽やかなスタートを切りましょう。

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