食事で夏バテ予防!夏バテ対策に効果的な食材・食べ物6つ

東洋中医学から学んだ、夏バテ対策に効果的な食事のポイントとは?夏野菜など、夏バテ防止におすすめの食材ジャンル一覧を紹介します。

執筆者: 藤永知嘉子 職業:国際中医薬膳師
夏バテに効果的な食材を、毎日の食事に取り入れよう

こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。


皆さん、前回紹介した「夏、なんとなく体調が優れない人へ。国際中医薬膳師が教える「夏の養生法」6つ」、上手く取り入れていますか?
養生法の一つに「食養生」というものがあります。

 

生きていく上でとても大切な「食事」。

今回は、夏バテ予防対策に大切な食べ物、食事方法などを紹介する「夏の食養生」についてです。

 

 

 

夏バテを予防し健康的に過ごす「食養生」とは

中医学には「薬食同源」という考え方があり、体に良い食材を日常的に食べていれば、健康を維持できると考えます。


体質や体調、季節に合わせ、食材の性質や効能を活かした食事で、病気の予防や健康を保つことを目指すのが「食養生」です。

 

夏の食事「食養生」のポイント

夏の食養生のポイントは以下の通りです。

 

  • 体内の熱を取る
  • 体内の水分代謝を高める
  • 胃腸の働きを高める

 

前回お伝えしたように、中医学の視点では「暑さ・湿気・冷え」が夏の体調不良の原因とされています。

暑さと湿気が体内に溜まり、消化機能の低下、血液循環や水分代謝が上手くいかず、体がだるく、精神的にも不安定になりやすくなります。

 

そして、夏の冷えは自律神経を乱すもととなります。

 

夏バテを予防する食材ジャンル一覧

では、夏バテを予防するには、どのような食材が良いのでしょうか?
すぐに使える身近な食材から紹介します。

1.体内の熱を取る食材

旬の夏野菜や果物の多くは、体内の熱を冷ます作用があります。
水分も多く含み、汗として出てしまった水分を補充してくれます。


旬の食材は、良い「気」をたくさん持っています。

美味しくいただきましょう。

 

トマト、きゅうり、なす、ゴーヤ、レタス、スイカ、パイナップルなど

 

苦味や濃い緑の食材は、体内の余分な熱を排出する作用があります。

ゴーヤ、青梗菜、グレープフルーツ、緑茶など

 

涼性(体のほてりを鎮める性質)の食材を取り入れましょう。

 

そば、小豆、緑豆、はと麦、豆腐、空心菜、瓜類、バナナ、海藻類、カニなど

 

 

2.体内の水分代謝を高める食材

湿気の多い夏。

体内に余分な水分が溜まると、消化機能が低下します。
利尿作用のある食材で、余分な水分を排出しましょう。


瓜科や豆類は水分代謝を高め、利尿作用が高い食材です。

きゅうり、ゴーヤ、冬瓜、ズッキーニ、とうもろこし、レタス、なす、ジュンサイ、はと麦、小豆、緑豆、スイカ、メロン、ぶどう、鮎、海藻類など

 

3.酸味の食材

酸っぱいものには収れん作用があり、汗の出過ぎを抑え、食欲アップや胃腸の調子を整えます。

梅干、酢、夏みかんなど

 

4.心を安定させる食材

夏の暑さは、心臓やメンタルにも負担をかけます。


寝苦しさから眠りが浅くなり、神経も高ぶりがち。

心を安定させる食材も取り入れましょう。

なつめ、黒豆、小魚、貝類、牛乳など

 

5.胃腸の働きを高める食材

夏は冷えと湿気により、胃腸の働きが弱まりやすい時期です。

胃腸の働きを高めましょう。

うるち米、豆類、かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも、山芋、とうもろこし、オクラ、枝豆、しいたけ、なつめ、発酵食品など


消化が良い、薄い味、温かいものは胃腸の働きを高めます。
脂っこい、濃い味、甘いものは、体内に熱や湿気を生み、胃腸に負担をかけるので控えましょう。

 

生もの、冷たいものは胃腸を冷やし機能を低下させます。

体を温める食材や香辛料を合わせましょう。

土用の丑の日といいますが、鰻は脂もたっぷり。

胃腸の弱い人は注意が必要です。

消化不良を起こし、逆に不調になることもあります。

 

 

6.薬味を活用して冷え防止

夏野菜や冷たい料理の食べ過ぎは、体を冷やし過ぎてしまいます。
体を温める食材を薬味として活用し、冷え防止・消化促進をしましょう。


蕎麦(体を冷やす作用がある)には、たっぷりの薬味を乗せて食べましょう。

 

生姜、長ねぎ、紫蘇、みょうが、わさび、山椒など

 

夏冷えには「生姜」を活用しよう

「冷たいものはダメといわれても…暑い夏、たまにはアイスも食べたい!」
そこで『裏ワザ食養生』を紹介します。

 

シナモンパウダーをプラスする

アイスが食べたい時は、アイスにシナモンパウダーをかけましょう。
シナモンは体を温める作用があります。
豊かな香りもプラスされ、リッチなアイスに変身です。

 

なお、スリランカ産のセイロンシナモンパウダーがおすすめです。

 

冷たい飲み物ならジンジャーエール

冷たい炭酸飲料が飲みたい時は、ジンジャーエールを選びましょう。

 

生姜は体を温める代表食材です。
生姜に唐辛子やスパイスを加えた、自家製ジンジャーシロップでも作ってみませんか?
美味しさも温め効果もアップします。

 

 

食事で夏バテを予防!食材で「暑さ・湿気・冷え」を防ごう

今回ご紹介したのは、すぐ手に入る食材ばかりです。
日々の食事を少し意識すること、その積み重ねが大事です。
心にも身体にも美味しい食事を楽しみましょう。

 

そして、何より基本なことは、良く噛むことです。
良く噛むことで食べ物自体の温度が上がり、胃腸への直接的な冷えが軽減されます。
消化も良くなり、胃腸への負担も減ります。