夏、なんとなく体調が優れない人へ。国際中医薬膳師が教える「夏の養生法」6つ
夏はいつもなんとなく体調が優れない人へ。夏バテの原因と予防対策を、東洋の中医学(中国伝統医学)から学びましょう。冷え性や食べ過ぎ、飲みすぎ、寝不足などで、自律神経が乱れている可能性があります。
こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。
太陽が眩しい夏! 心踊る夏!
皆さん、冷房が効いた部屋で涼み、ビールやアイスばかり食べていませんか?
そのままでは、夏は快適に過ごせても、これからやってくる秋冬には、体調不良が待っています。
そこで、中医学的・養生法をご紹介します。
中医学(中国伝統医学)と聞くと、古くて難しそうなイメージがあると思います。
実は現代にも通じ、すぐに活用出来る「健やかに生きる知恵」がたくさん詰まっています。
先人の知恵を知り、健康な心と体を築きましょう。
「養生」とは「生きる力を養う」ということ。
生命力が充分であれば、健康で病気にもなりにくいですよね。
そして「養生」とは、難しいことばかりではありません。
疲れたから休む、好きな音楽を聴いてリラックスをするなど、体と心を労わり健康でいるための日々の過ごし方は全て「養生」です。
中医学では、人間も自然界の一部であるとし、自然に逆らって過ごすことは不調に繋がると考えます。
そこで、四季がはっきりした日本では四季(自然)に合わせた養生をしていくことが大切です。
今回は「夏の養生法」をご紹介します。
夏は春に生まれたものがグングンと成長する季節です。
緑豊かに花も咲くように、人間もエネルギーを蓄え、活動的になりましょう。
また、秋冬に向けて体を整える時期でもあります。
夏は一年を通し、一番養生をしていかないといけない大切な季節なのです。
夏バテの原因を中医学の視点から見てみると、「暑さ・湿気・冷え」です。
高温多湿の日本の夏。
外の暑さと湿気が体内に溜まり、消化機能が低下します。
血液循環や水分代謝が上手くいかず、体がだるく、精神的にも不安定になりやすくなります。
汗(水分)と一緒にエネルギー(気)も外に出てしまうため、体力が消耗し、夏バテや夏風邪を招きます。
そして、夏の冷え。
冷房による気温差は自律神経を乱す素です。
冷たい飲食物の過剰摂取は、消化器系の不調を引き起こします。
体調不良が多き夏、健やかに過ごすために以下の6つの養生法を取り入れましょう。
日の出が早い夏。
自然に合わせ、早起きを心掛けましょう。
涼しい朝のうちに体を動かし、一仕事終わらせれば1日が有効的ですね。
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体内に熱や湿気が溜まりやすい時期です。
そのままでは、秋の不調の原因になります。
体を動かし、汗と共に体内の熱や湿気を発散させることが大切です。
ただし無理は禁物です。
汗のかき過ぎは、体力も消耗します。
気温の高い時間は避け、水分と塩分の補給も忘れずに行いましょう。
冷房対策をしっかりしましょう。
特に、首、腰、足元は冷やさないように。
冷えてしまった体は、お風呂で温めて代謝を高めて下さい。
夏でも湯船に浸かりましょう。
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冷たい飲食の過剰摂取にも注意をして下さい。
胃腸を冷やし、消化機能や免疫力を低下させ、夏バテの原因になります。
飲み物は常温や氷抜きを心掛けましょう。
夏の間に体に「冷え」を溜めこむことも、秋冬の不調の原因になってしまいます。
水分補給は、こまめに早めに行いましょう。
ガブガブ一気に飲むと胃腸に負担がかかります。
糖分の多いものやビールではダメですよ。
水やお茶などで補給をしましょう。
また、食事中の水分は控えめにして下さい。
消化液が薄まり、消化機能が弱まります。
●水は一気に飲まず、少しずつこまめに飲むのがよい
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夏は冷えと湿気により、胃腸の働きが弱まりやすい時期です。
胃腸は、食物をエネルギーに変える大事な器官です。
弱っていては夏を乗り切る体力を養えません。
脂っこいものや味の濃い物は控え、消化の良い食事で胃腸の働きを高めましょう。
汗と一緒に、エネルギー(気)もたくさん消耗しています。
水分補給や栄養と共に休養もしっかり取りましょう。
特に睡眠は大切です。
暑くて寝苦しい夜は、クーラーを活用するなどして寝やすい環境を作って下さい。
ただし、くれぐれも寝冷えには注意が必要です。
眠りの浅かった日は、軽い昼寝をすることもお勧めです。
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どれも簡単なことですが、つい忘れがちなことばかりです。
続けられそうなことから取り入れてみて下さいね。
「養生」は続けることが大事です。
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