1日に必要な水分補給量は?健康にいい水の飲み方”ウォーターローディング”のやり方
1日にどれくらい水を飲めばいい?健康にいい水の飲み方は?むくみや水中毒にならないポイントを、管理栄養士・ダイエットコーディネーターが解説します。
こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。
四季折々が美しくも、近年の夏はとにかく蒸し暑い日本。
暑い夏だからこそ、透明で涼やかな水について考えてみませんか?
さて、人間の体の55~65%は水で出来ています。
新生児であれば75%、子供は70%、成人男性は約60%、女性は55%です。
女性の方が低い理由は皮下脂肪が多いからです。
歳を取るに従って水分量が減っていくのは、筋肉の量だけでなく、細胞内の水分が減っていくことが原因です。
細胞内の水分が減ると、同時に筋肉が衰えます。
それは老化現象の一つと考えられています。
水も滴る良い女になりたいのであれば、水分を十分に補給しておかねばなりません。
しかしながら、沢山飲めば良いというものではありません。
飲み過ぎは内蔵に負担がかかり、逆効果になってしまいます。
では、一体どのくらいのお水を飲んだら良いのでしょうか?
- 知らない間に呼吸から500ml(不感蒸泄)
- 汗で500ml(寝ている間の汗、ペットボトル1本分)
- 排泄で1.5ℓ
合計は2.5ℓ/1日です。
- 食事で、おおよそ700mlの水分を摂取
- 食べ物をエネルギーに変える化学反応で出来る代謝水300ml
1.5ℓのお水を飲むことで、1日の水分バランスが整う計算になります。
さて、摂取するお水が不足すると、どうなるでしょうか?
1日の水分の収支決算は2.5ℓですが、唾液や胃液など、カラダは約8ℓもの消化液を毎日分泌しています。
つまり、摂取した水分は95%が小腸、4%を大腸が吸収していて、そこから全身に回すのです。
血液の水分も、飲んだ水から再吸収され全身に巡るのですから、飲み水が足りないと体液が濃縮を繰り返し、病気の引き金にもなりかねません。
カラダの水分のコントロールは、腎臓が担当しています。
それは塩分と関連しています。
人間の中の水の塩分濃度は、今よりも塩分が薄かった頃の「太古の海」と同じ0.9%を保っています。
その調整係が腎臓なのです。
夏の暑い日は、スイカやきゅうりが美味しいですね。
これらは体を冷やす食材であり、しかも水分が多く含まれています。
利尿効果が高いので、すぐにお化粧室に行きたくなりますね。
むくみには効果的ですが、細胞に行きわたる前に流れてしまいます。
水分の摂り過ぎで体液や血液が薄まると、今度は細胞の活性や血の巡りが悪くなり、肌荒れや夏バテの原因ともなってしまいます。
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そこで実験です。
スイカに塩を振って食べると、普通に食べる時と比べてトイレへ行く回数が減ります。
塩をかけることで甘さが際立つことは広く知られていますが、細胞に水を浸み込ませる働きにも一役買っていたのですね。
ただし、塩分の過剰摂取が血圧上昇の原因となっている方や、減塩のご指導を受けている方は、1日の摂取量をお守り下さい。
また、腎臓に問題のある方は、水分・塩分摂取は医師のご指示に従うようお願いします。
次なる課題は、お水を飲むタイミングです。
水分補給として理想的な方法と言われているのは、ウォーターローディングです。
スポーツ選手が効率良く水分を補給する方法です。
ウォーターローディングとは、喉が渇いてしまう前に水分を補給するという考え方のこと。
一気にたくさん飲むのではなく、1回にコップ1杯程度(150~250ml)の量の水を1日に6~8回飲み、1日の必要量(約1.5ℓ)を補給する方法です。
エアコンで乾燥しがちなお肌にも、ウォーターローディング法が効きます。
自分の体と相談しながら塩分も上手く利用して、冷えからくるむくみにも立ち向かいつつ潤い美肌も手に入れましょう。
生物の発生は、太古の海。
0.9%塩分濃度の海に、浮かんだカリウムが入った袋です。
それが、1つの細胞であったと言われております。
お腹の中でお母さんに守られている胎児は、子宮の中で、太古の海と同じ塩分濃度の羊水に浮かんでいます。
人は生まれ出づるとき、海の中で生物が誕生した時の追体験をするのです。
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管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。
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