紅茶のプロが教える、透き通るアイスティーの作り方。冷たい紅茶がゴクゴク飲みたくなる
紅茶のプロが解説!暑い夏におすすめの飲み物「アイスティー」の作り方。アイスティーに向いている茶葉や、濁る問題も解決しましょう。
こんにちは、ティーアドバイザーの小林真夕子です。
暑い夏にはアイスティーが最適ですね。
さて、今回は初夏を楽しむティータイムの過ごし方をご提案していきます。
紅茶のある暮らしで、清々しく気分転換を計ってみましょう。
「紅茶」といえば、イギリスやインド、スリランカなどを思い浮かべると思いますが、アイスティー発祥の地は、なんとアメリカ合衆国です。
アメリカといえばコーヒーのイメージが強いですが、アメリカは独立前はイギリスの植民地。
そういえば「ボストン茶会事件」など教科書で見かけたことがあるような…。
アメリカへ旅行された方は、レストランやカフェなどで注文すると、お水代わりに何杯も「アイスティー」を注がれた経験があるのではないでしょうか?
スーパーなどでは、大手紅茶メーカーがペットボトルや瓶入りのアイスティー、粉状のアイスティーを販売しているのを多く見かけます。
そんなアイスティー大国アメリカですが、1904年にアイスティーが誕生した経緯をみていきましょう。
1773年、ボストンティーパーティー(ボストン茶会事件)事件がきっかけとなり、アメリカの独立戦争が引き起こされました。
この独立戦争後、アメリカでは紅茶が飲まれなくなっていきます。
ボストンティーパーティー事件から131年後の、1904年。
アメリカに新たな紅茶の歴史が始まります。
それがアイスティーの登場です。
1904年の夏、アメリカのセントルイスで万博が開かれました。
そこに、イギリス人の茶商リチャード・プレチンデンがお茶の販売として参加していましたが、万博は夏の暑い盛りに行われており、熱い紅茶は全く売れませんでした。
そこで、彼は紅茶に氷を入れて出してみると、飛ぶように紅茶が売れたのです。
この万博で、アイスティーはアメリカの国民飲料として定着していったのです。
アイスティーは当然のことながら「冷たい」飲み物ですね。
しかし、紅茶は本来80度以上の熱湯を使って新鮮な茶葉を蒸らして抽出することによって、茶葉が持つ香味が活かされてきます。
なお、アイスティーを作る際の最大の問題点は「濁ること」です。
アイスティーが白濁してしまうこの現象は、「クリームダウン」と呼ばれます。
では、クリームダウンを避けて見た目にも涼しく、のど越しも良い美味しさ抜群のアイスティーを作るにはどうしたらいいのでしょうか?
●関連コラム
アイスティーが濁った時のアレンジレシピ集!冷たい紅茶を美味しくいただく
「クリームダウン」を避けるには、美味しい紅茶の淹れ方の基本中の基本である「ゴールデンルール」通りに、濃いめの紅茶を抽出し、一気に急冷していくのがポイントです。
この濃く淹れて氷で割る方法は、一番ポピュラーな方法で「オンザロック式」と呼ばれています。
また、茶葉選びも重要になります。
アイスティー向きの紅茶葉を、しっかりと選んでいきましょう。
ダージリンやニルギリ、ヌワラエリヤ、ネパール紅茶などはアイスティーに最適です。
基本のアイスティー作りに慣れてきたら、そちらをベースにした「アレンジアイスティー」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
夏のホームパーティーの演出にもぴったりです。
お子さんや家族、お友達とアレンジティー作りを一緒に楽しんでみましょう。
【用意するもの】
- アイスティーベース
- オレンジジュース 150cc
- 白ワインまたはソーダ(炭酸水) 100cc
【作り方】
1. アイスティーベースを作る。
2. アイスティーベースをグラスに入れる。
3. アイスティーの上から、オレンジジュースと白ワイン(または炭酸水)を注ぐ。
夏バテ防止効果もあるアレンジアイスティーです。
【用意するもの】
- アイスティーベース
- しょうが 1枚
- ジンジャーエール 150cc
【作り方】
1. アイスティーベースを作る。
茶葉と一緒にスライスしたしょうがを入れて、蒸らしてください。
2. アイスティーベースを氷を入れたグラスに注ぎ、上からジンジャーエールを注ぐ。
アイスティーには、ミントやローズマリー、レモンバームなどのさわやかなフレッシュハーブがよく合います。
ちょっと添えてみるだけでも、見た目も華やかになります。
梅雨時期にも、夏の暑い日にも、美味しいアイスティーは一服の清涼感となりますね。
日本の夏は年々厳しく猛暑、酷暑などと呼ばれるようになっています。
初夏から美味しいアイスティーでティータイムを楽しんで、水分補給も万全、暑さからくるだるさを吹き飛ばしましょう。
また、美味しくできたアイスティーを、この初夏からおうちで常備してみるのもいいですね。
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食品専門商社勤務時代に紅茶やウーロン茶の輸入業務に携わり、大好きな紅茶や日本茶、中国茶を極め、お茶に関する様々な資格を習得。
その他、茶育指導士・食育指導士、アロマアドバイザー、メディカルハーブコーディネイターなどの資格も習得。
2006年紅茶教室ティースタイルを開催。
産休育休後、現在はプライベート形式マンツーマンレッスンとして再開し、
小さなお子様連れでも参加可能なレッスンスタイルを新しく主宰、育児傍ら、一人一人のニーズに寄り添ったきめ細やかな紅茶レッスンを行っている。
ブログ:「お茶のある風景」http://ameblo.jp/teastyle/
紅茶教室ティースタイル公式HP:http://teastyle-teastyle.jimdo.com/
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