こんにちは、理学療法士の西村猛です。
皆さん、便秘にお悩みではありませんか?
特に女性には多いかと思います。
今回は、排便が起こる機序と、快適な便通のために、すぐに取り組める簡単な方法をいくつかご紹介します。
便秘とは、便が大腸に貯留したままになっている状態です。
この貯留した便を出すためには、3つのポイントがあります。
- 腸が活発に動くことを意味する「蠕動(ぜんどう)運動」を促すこと
- 便を大腸の最終部まで動かすこと
- 便を排出しようとする体の反応「排便反射」を引き出すこと
腹部のマッサージなども効果的ですが、できれば自然な、体本来の排出機能を高めておきたいものです。
大腸の蠕動運動により、便は大腸の最終部である直腸に向かって運ばれていきます。
便秘解消のためには、大腸の蠕動運動を促すことがとても大切です。
具体的な方法は次の通りになります。
腹圧とは、お腹の中の圧力のこと。
空気が入ったボールをイメージして下さい。
空気がたくさん入った状態が腹圧が高い状態、空気が抜けた状態が腹圧が低い状態です。
この圧が高い程、大腸を刺激し、蠕動運動に繋がりやすくなります。
- 声を出して笑う
- いつもより声のボリュームを上げる
笑い過ぎた時、お腹が痛くなることがあると思いますが、これは腹筋が活動した証拠です。
声を出して笑うことで腹筋が活動し、それにより腹圧が高まるのです。
また、声のボリュームを上げることが腹筋をより多く使うことに繋がり、声を出して笑うのと同じ効果があります。
大腸が緊張した状態では、腸の動きは起こらず、便はその場から動けません。
便を出口付近へと運ぶためには、大腸がリラックスした環境を作ることが大切です。
それは「副交感神経の働きを高める」ことです。
自律神経と呼ばれる物には「交感神経」と「副交換神経」の2種類があります。
この副交感神経には、体を癒やす、病気を治すなど体を正常な状態に修正するなどの働きがあり、大腸の動きを活発にさせる役割もあるのです。
深呼吸をすることです。
呼吸をゆっくり行えば、すぐに副交感神経は高まります。
回数は、5回程度でOK。
できるだけゆっくり、そして気持ちもリラックスして行うことを心掛けて下さい。
大腸の最終部まで移動した便を排出するためには、体の排便に関する反射(排便反射)が必要になります。
食べ物が胃の中に入ってくると、その刺激が大腸に伝わり、大腸の最終部に溜まっている便を直腸に移動させます。これを「胃-大腸(結腸)反射」と言います。
この反射は1日のうち、何度かしか起こりません。
このタイミングを逃すと、やがて反射が消失してしまい、その結果便秘になってしまいます。
食事の後に便意を感じた場合は、この反射が起こっている証拠です。
その場合はすぐにトイレに行く習慣を持ちましょう。
また、便意を感じない場合でも、食後は便座に座ってみるようにしましょう。
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