女性の一人暮らし、引っ越しの挨拶は防犯上しない?新常識vsマナー!
マナーコミュニケーション講師の金森たかこです。
就職や入学などで親元を離れ、一人暮らしを始めるための引越し。
新たな生活にワクワクしながらも、引越しにまつわるお悩みも出てきますね。
その一つに、ご近所への引越しの挨拶があります。
一昔前までは、引越しの挨拶は、最低でも「向こう三軒両隣(自分の家の向かい側の三軒と左右の二軒の家)にするのが礼儀だ」と言われていました。
マンションの場合は、自分の部屋の両隣と、上下階の四部屋ですね。
実際、ちょっとした手土産を持って挨拶に行くことによって、メリットがたくさんありました。
- お互いの顔が分かり、安心感が生まれ、無用なトラブルを防ぐことができる。
- 住民と顔見知りになることで、地域のルールや情報なども聞きやすくなり、生活しやすくなるなど。
しかしながら、現在はどうでしょうか?
「防犯」という観点から、最近は挨拶をしないという方が増えているようです。
特に女性の一人暮らしの場合、引越しの挨拶をすることによって、「女性が一人で住んでいる」ということが周りに知られ、トラブルに巻き込まれるリスクが高まる可能性があります。
また住民側も、わざわざ挨拶に来て貰わなくてもいいと思う方も少なくないようで、挨拶に行っても居留守を使われることも。
これは、ご近所付き合いに抵抗を感じるからという理由だけではなく、突然の訪問者に対しては、どんな人か分からないから対応しないという、防犯上の理由もあると思われます。
挨拶は、人間関係を良好にする大切なマナーのひとつです。
ですが、それによってトラブルに巻き込まれてしまっては本末転倒と言えるでしょう。
今の時代「自分の身は自分で守る」という意識は必要です。
したがって、一人暮らしの場合、引越しの挨拶をしないことがマナー違反であるとは、一概には言えなくなっているようです。
挨拶をするかしないかは、引越し先の雰囲気や、入居者の様子などから判断すると良いでしょう。
迷った場合は、部屋を紹介してくれた不動産会社の方に訊いてみてください。
親切に教えてくれるはずです。
それでも迷ったら、特に女性の一人暮らしの場合は、挨拶はしなくても良いでしょう。
反対に、今後何かとお世話になる管理人さんが常駐されていたり、大家さんが近くにお住まいの場合は、ちょっとした手土産を持って、挨拶に行くことをお勧めします。
挨拶は、相手がいてこそ成り立ちます。
「引越しの挨拶は、マナーだから絶対する」というのではなく、お互いの思いや状況を考えて、臨機応変に対応すると良いでしょう。
また、挨拶に行った場合でも、明らかに居留守を使っていたり、数回行っても誰も出てこない場合は、それ以上しつこく行くのは止めたほうが無難です。
住みやすい快適な環境づくりのためには、「自分の身は自分で守る」という意識と、だからこそ「人にはそれぞれ事情がある」ということを心に留め、適度な距離感を持って接するということが必要かもしれませんね。
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京都市在住。office T 代表 ウイズ株式会社 社長兼西日本代表 一般社団法人 マナー教育推進協会 代表理事 副会長
マナーあるコミュニケーションによって、お互いがプラスになる関係を築いていってほしいという強い思いを持って、企業や学校、行政機関などで講演・研修を行っています。
また、アナウンサーとしての経験を生かした『話し方』や『ボイストレーニング』のセミナーは、“愉しく学べる”と毎回ご好評をいただいております。
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