「妊婦様」「マタニティマークが嫌い」妊娠中の女性に嫌がらせ・批判をする理由とは
「マタニティマーク」を付けていることで嫌な思いをした妊婦さんが結構います。暴言を吐かれた、嫌がらせを受けたなど、妊娠中の女性に冷たい態度を取る人達の心理を解説します。
こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。
妊娠をしている人を守るために作られた「マタニティマーク」。
それをつけることが出来ないという人が多くいます。
理由は、嫌がらせを受けたり、ひどい言葉を浴びせられたりといった、精神的苦痛を与えられることがあるからです。
マタニティマークを付けていると、どうしてこのような目に遭うことがあるのでしょう?
それは、嫌がらせをする人や批判的なことを言ってくる人たちの心に、「ある思い」が潜んでいるからなのです。
マタニティマークは、妊娠初期の大切な時期に、母体と赤ちゃんの健康と安全性を確保するために作られました。
妊娠初期は、まだお腹が大きくなっていないため、外見から妊婦であることを判断するのは難しいもの。
そのため、電車やバスで立ちっぱなしでいると、体調不良や気苦労を通常の何倍も起こしやすくなります。
そこで、交通機関等を利用する際に身につけることで、妊婦であることを周囲に示しやすくするマークとして、
国民運動計画「健やか親子21」推進検討会より、このマタニティマークが発表されたのです。
交通機関や職場など様々な場面で、妊婦さんが心身的に苦労しなくて済むよう、このマークを見た周りの人が配慮を取りやすい環境にすることを目標としているのです。
マタニティマークを付けている人を見かけたら、率先して席を譲ったり、ドアを開けてくれたりする優しい人たちも多くいます。
ところが、マタニティマークを付けていることに対して、批判的な意見をSNSなどを利用して発信したり、妊婦さんに聞こえる声で、批判的なことを言ったりする人も出てきました。
これは、実際に私が言われた言葉です。
妊娠4ヶ月目の時に耳元でそう言われました。
電車に乗っているだけでそう言われたので、ショックと驚きが大きかったです。
他にも、このような意見がありました。
- 「妊婦だから優先されて当たり前っていう考え方がおかしい」
- 「子どもを持てない人がいる中で堂々と付けているのがムカつく」
- 「”幸せです”みたいな顔して歩いているのが許せない」
- 「マタニティマークは免罪符か?見ているだけで腹立たしい」
マタニティマークが作られた背景などを全く考えていないということが言葉の中に見受けられます。
また、不妊に悩む方への配慮に欠けるとの意見も聞かれました。
こうした言葉の中に、批判的なことを言う人の様々な思いが見え隠れしていることが伺えます。
批判的なことの言動の裏には、さまざまな思いがあります。
- 羨ましさ
- ねたみ
- ひがみ
- 以前に嫌な思い出がある(妊娠や妊婦に対して) など
このようなものが多くの場合、心に隠れていると考えられます。
そのために、前項目のような言葉や、妊婦に対して何かしらの言動を起こさせてしまいます。
人間には、個々によってものの見方に差が生じます。
ある人には、好意的に見えるものでも、別な人には悪意的に見えるのです。
その感情の動きに関係してくるのが、個々の心の中にある思いです。
確かに、赤ちゃんが欲しくても持てないという人には、非常に羨ましい感情があるでしょう。
だからといって、人に嫌がらせや批判するようなことは良くありません。
嫌だと感じる気持ちを人に被せたり、ぶつけたりするのではなく、パートナーや友人などに心の動きを話すという解決策を取るようにすることが必要ではないかと思います。
マタニティマークは、妊娠中の女性を守るために作られたものであることをどうか理解していただきたいと思います。
女性ホルモンのせいで、妊娠したことが嬉しくなって、表情や態度、言葉に出てしまう方もいます。
でも、妊娠している女性の全てがそうであると思わず、まずは手を差し伸べることから考えてみてもいいのではないでしょうか。
自分の嫌な気持ちを妊婦にぶつけることを止め、手を差し伸べられる人が増えること、また安心してマタニティマークを付けて歩ける世の中になることを願っています。
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