「夫が嫌い、気持ち悪い」…妊娠・出産後の妻が旦那様を避ける原因は?対処法も解説 (1/2)
出産後、妻が夫を大嫌いになることがよくあります。産後は、マタニティブルーや産後うつといった心の病にも注意すべき時期。「産後クライシスで離婚」とならないために、原因と解決方法を学びましょう。
こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。
妊娠・出産以降にどういうわけか気分が沈み込んでしまったり、夫のことが嫌だと思ってしまったりすることがあります。
そのことで「自分はどうにかなってしまったのではないか」と考え込んでしまう人も少なくありません。
また、夫に対して「夫が嫌い、気持ち悪い」という気持ちが湧いてくる人もいます。
こうした気持ちが沸き起こるには原因があり、それらを知れば、うまく乗り越えることができます。
妊娠・出産というのは、心身共に大変な負担が伴うものです。
妊娠中に椎間板ヘルニアになってしまう人や、甲状腺に異常が出てしまう人など、さまざまな不調がやってきます。
ですから、心にも変化が出て当然です。
熊本大学医学部の調査によると、「妊娠中の女性6人に1人がうつ病を発症してしまう」という結果が出ています。
また、出産後に気持ちが落ち込んでしまうという女性も多くいます。
心がこのように揺らいでしまう原因は、「女性ホルモンの急激な変化」にあると言われています。
精神状態に大きな変化を引き起こしてもおかしくない状態です。
それに、極端な心の変化は、女性ホルモンの乱れだけではなく、生活環境の背景も大きく関係していることも考えられます。
- 夫の帰宅時間
- 妊娠中の妻へのいたわりなどの配慮がない
- 妻が不安な状況であるにもかかわらず放置
- 夫が妻の体調に関して無関心
こういったことが心に大きな負担をかけていることは間違いありません。
これらの状況が改善されず、不安感に苛まれるような状態が続けば、「産後クライシス」と言われるような状態になってしまいます。
これは病名ではありません。
NHKの朝の情報番組が作った造語です。
「産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状況」という意味で、早い段階で手を打たないと離婚に至る可能性が非常に高くなってしまいます。
産褥期とは、出産してから体が完全に回復するまでの期間(約6~8週間)のことを言います。
この期間は、女性ホルモンを出産で使い果たしていますから、本当にしんどいと感じる期間です。
そんな時だからこそ、いたわりが大切なのです。
ここで無理をすると、下記のような心の病にかかりやすくなってしまいます。
産後の女性5~50%が感じたことのある軽めの心の疾患です。
数日~数週間くらいで良くなる場合がほとんどです。
【症状】
- 涙もろくなる
- 不安感が襲ってくる
- 抑うつ状態(気分の落ち込み)
- 頭痛
- 食欲不振 など
気持ちの落ち込みが激しく、家事や育児に支障をきたしてしまうことも多々あります。
はたから見ると、さぼっている・怠けていると思われがちですが、これは本人ではどうすることもできない心の病気です。
出産女性の10~20%にみられると言われています。
【症状】
- 抑うつ(気分の落ち込み)
- 趣味や楽しいことに興味を失う
- 過剰なイライラ
- 不眠か過眠のどちらかが出る
- 思考力や決断力などの低下 など
こういった症状がみられたら、早い段階で心療内科やメンタルヘルス科への受診が必要です。症状が出ていたのに放っておくようなことになれば、起死念慮(死にたいと考えてしまう気持ち)を持ってしまうことが考えられるからです。
夫は、仕事を理由に子育てを手伝わないことがあったり、「上から目線」のような言い回しをしたりと、妻を苛立たせるようなことをしてしまいがちです。
日中、1人きりで家事と慣れない子育てをしていたら、心が閉鎖的になってしまいます。
こういう生活環境が、妻の心をどんどん追い詰めていくのです。
妊娠が分かったときから、産後の家事育児についてのことを話し合うことが大切になります。
何もしてくれなかったという思いや、自分ばかり辛いという気持ちを妻が持ってしまう時間が多いと、夫への気持ち離れが始まってしまいます。
こんな時、妻が気をつけなくてはならないのが、夫への愛情を示すことです。
行動は妊娠で制限されたりしますので、言葉で伝えるようにしましょう。
そうすれば、「寂しさを抱える夫」が浮気になんてことが少なくなります。
要するに、『お互いの気持ちが同じ方向を向いているかどうか』が大切なのです。
ホルモンバランスが乱れて、いつもの自分じゃないと感じているところに生活環境の要因が加わると、産後クライシスが起こってしまう可能性が高くなります。
そうなってしまわないためには、以下のような夫の助けが本当に大切です。
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