子どもが「嘘」をつく理由は、年齢によって変わる!幼児期~小・中学生頃まで、成長に合わせた対処法

我が子が嘘をついたとき、叱ってばかりいませんか?子どもが嘘をつく心理と、子の嘘に対する正しい親の対応を紹介。成長するにしたがい、ウソをつく理由も変化。年齢に合わせたしつけが必要です。

執筆者: 桜井 涼 職業:メンタルケア心理士、コラムニスト
子どもが親に嘘をつく理由と対処法【幼児期~7歳/8歳~中学生】

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。


親であれば誰だって、子どもが成長するにつれて、嘘をつかれたという経験が少なからずあるかと思います。
例えば、手を洗っていないのに「洗った」といった具合です。

 

嘘をつかなくてもいいような場面で嘘をつかれると、悲しい気持ちになってしまいますよね。

つい、怒ってしまいたくなるでしょう。

 

今回は、「我が子が嘘をつく」という事実に悩んでいる方のために、嘘をついてしまう理由を見ていきたいと思います。

 

 

子どもはなぜ嘘をつくの?

子どもの嘘って、親からしてみれば、すぐにわかってしまう嘘ばかり…。
ですから親としては「なぜ・どうして?」と思ってしまいます。

 

嘘をついてしまう理由は、年齢によって変わってきます。

それを見ていきましょう。

 

【幼児期~7歳くらいまで】の子どもの場合

この年齢の子どもたちは、関心事・興味のあることが先に立ってしまいます。

そのために、やっていないことでも「やった」と言ってしまう傾向にあるのです。


ですから、「手を洗ったの?」「宿題は終わったの?」などの問いかけに対して、「うん」「やった」という言葉が出てきてしまいます。


親に嘘をついて困らせるという考えではありません。

また、「騙す」などの悪意もありません。
幼ければ幼いほど、大人とこの時期の子どもでは、嘘の概念が違っているのです。

【8歳~中学生頃】の子どもの場合

このくらいの年齢になってくると、「嘘をつくのは悪いこと」という考え方ができるようになってきます。

それがわかっていても嘘をついてしまうのには、何らかの理由が必ずあるはずです。

 

  • 親に隠し事をするため
  • 期待に沿いたい気持ちから
  • 気を引きたい
  • 親に追い込まれてしまったため

 

上記のようにさまざまな理由が存在しますが、一番の理由は「自分を守るため」です。

そこには、親に怒られるという恐怖などが隠れています。

自らを守るために嘘をついてしまった可能性があることを、親は忘れてはならないのです。

 

 

子どもが嘘をついた!そのとき、親はどう対応するべき?

子どもが嘘をついたら、「すぐに叱る」ということよりも、どのような状況で、どんな嘘をついたのかを親が冷静に判断することが大切です。

【幼児期~7歳くらいまで】の子どもの場合

やってないのに「やった」などの嘘が出てしまいます。

ここで叱ってしまうよりも、「嘘がいけないこと」を教え、嘘をつかなくても良い方法を親が仕掛けてあげましょう。


やっていないとわかったら、「一緒にやろう」というような、子どもに嘘をつかせなくて済むような声かけをします。

そうすれば、子どもは嘘をつく必要がなくなるうえに、生活習慣や学習習慣を身につけるきっかけにもなります。

【8歳~中学生頃】の子どもの場合

恐怖や心の闇があるため、自分を守るために嘘をついてしまう場合が出てきます。

このようなケースも一概に叱るだけでは、子どもを萎縮させ、追い込んでしまうでしょう。

嘘だと見破った場合は、「嘘をついてはいけない」と言い聞かせます。
子どもが、正直に本当のことを言った場合は、叱らずに「正直に言えたこと」をほめます。
本当のことを言ったのに、さらに叱るようなことをすれば、子どもは嘘の上に嘘をつくようになってしまいますので、気をつけましょう。

すべての子どもに言えること。

「嘘をつくのが、なぜいけないことなのか」という部分を早い段階で教えてあげることが大切です。

嘘に関する絵本や紙芝居などがありますので、活用してもいいですね。

親が嘘を見破ったときは、きっちり「嘘をついてはいけない」と叱りましょう。

「子どもが親に嘘をつく」のは、悲しいことですが…

「人は、1日に200回も嘘をつく」と言われています。

そういう研究結果があったとしても、嘘は悪いことであると教えなければなりません。

 

子どもが親に嘘をついてしまうのは悲しいことですが、その嘘にはさまざまな背景や心の闇、自己防衛があることを理解することも大切ではないでしょうか。

 
 コラムニスト情報
桜井 涼
性別:女性  |   職業:メンタルケア心理士、コラムニスト

元学習塾講師。妊娠出産のハプニングを乗り越え、現在は2児の母。
その頃より子どもの心の動きや医療に関係することに興味を持つ。

2009年より文筆家として活動。
子どもの心に関するコラム、子どもの心が正常に育つために夫婦へのアドバイス、子どもの病気関係を取材しコラムを執筆中。
心の闇を抱える子どもへの取材や心理学を学び、2016年「メンタルケア心理士」資格を取得。

ブログ『フリーライター桜井涼のたなごころ』
http://ameblo.jp/miehime0617/