クラシック演奏会・コンサートホールのマナーその4 音響のよい座席・アンコールや拍手のタイミング・写真撮影など
こんにちは、ピアニストの小川瞳です。
クラシックの演奏会・コンサートのマナー第四弾です。
今回は「これを知っておけばクラシック通」というマナーをご紹介していきます。
クラシックの演奏会において「よい席」とは「音響のよい席」のことです。
ステージに近ければよいというものではなく、逆に「中央の後ろ寄り」が「よい席」です。
気分的にはなるべくステージの近く――前のほうに行きたくなるものですが、ホールの設計上、中央周辺が最も音が響くようになっています。
オーケストラの場合は音のバランスが悪くなり、近くに位置している楽器の音が聴こえすぎる可能性もあるので、席を選べる場合は中央より前は避けるとよいかもしれません。
またピアノの演奏会の場合は、ピアニストの手と鍵盤が見える、ステージに向かって左側の席が特に人気です。
ですが、ピアニストの顔の表情を見たい場合はステージに向かって右側のほうがよいですし、ホールによって音響も見え方もかなり違いがありますので一概には言えません。
ホールによる音響の違いは、演奏会に慣れている方なら入場した途端に察することができるでしょう。
足音や話し声の響き方、雑音の大きさである程度は判断することができるからです。
しかし実際には、楽器とホールの相性もあるので開演前には分からないことも多いです。
演奏会の最後に大きな拍手が沸き起こると、たいていの演奏家はアンコールという形で応えます。
アンコールは1曲の場合もあれば、数曲に渡ることもあります。
拍手が続く限りアンコールを繰り返す演奏家もいますが、どれだけ拍手を贈ってもアンコールなしという演奏家もいます。
演奏家にはそれぞれのこだわりがあるので、感謝の気持ちはあるがアンコールはなし、という主義の方もいるのです。
「拍手しているのにアンコールを弾いてくれなかった」なんて感情は持たずに、「アンコールを聴けたらラッキー」といった感覚でいるとよいかもしれません。
お客様によっては「ブラボー!」や「アンコール!」の声を客席から贈ることもあります。
これは演奏家にとって大変嬉しいことです。
海外の演奏会では、演奏に満足できないお客様からブーイングが起きることもあります。
しかし日本の演奏会では見かけない光景ですし、やはり演奏家に対して失礼だと思いますので、賞賛の声以外はやめたほうがよいでしょう。
終演後の拍手に関して、いつまで拍手し続ければいいのだろうと悩むかもしれません。
参考になるのは、客席の照明が明るくなるタイミングです。
本番中はステージが明るくなり、客席が暗くなっていますが、演奏会が終了すると客席が明るくなるのです。
そして「本日はご来場頂きまして誠にありがとうございました」といったようなアナウンスが流れます。
この状態になったら、もうアンコールによる演奏はないと判断してくださいね。
場内での写真撮影は、基本的にNGです。
一般的にコンサートの写真は、主催者が依頼した業者が行っていることと、会場によっては指定したカメラマン以外の者が会場を撮影することを禁止していることなどが理由です。
しかし基本的にロビーや会場の外での撮影は問題ありませんし、コンサートによって禁止事項は異なりますので、写真を撮影したい場合はスタッフに確認してみると間違いはありません。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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