ピアニスト直伝!イスの高さと座り方。正しい姿勢でピアノを引こう!
ピアノを引くために大切な椅子の高さと座り方のポイントを解説。正しい姿勢でピアノを引くことで、上手に演奏できるようになること間違いなし!
こんにちは、ピアニストの小川瞳です。
今回はピアノを弾くときの姿勢、イスの座り方についてです。
イスの座り方、イスの高さは人それぞれ好みがあると思います。
今回は私の設定を元に、心地よいピアノの椅子の高さと座り方を解説します。
イスの高さは、鍵盤に手を置いたときの手首の位置に注目して設定します。
手首の高さと肘の高さを同じ位置に、肘下が床と平行となるようにするのです。
私が気にするポイントは、大きく分けると2つ。
指先に力が掛かりやすいか、弾く姿勢が安定しているかです。
ピアノを弾くためには、上半身全体の力を必要とします。
ピアノに接しているのは指先だけです。
なので、上半身の力を自分でコントロールして、指先に力を乗せるのです。
その際、肘や手首や腕に力が留まってしまうと、思うように力のコントロールが出来ません。
もしイスの高さを低くし過ぎて、肘の高さが手首より下だと、腕の重みは肘に掛かってしまい、手首はぶらさがるような感覚になってしまうかと思います。
私にとってこの状態は、非常に指のコントロールがしにくく、また体重を指にかけることが困難になってしまいます。
ピアノに向かって体重を掛けるのかと、疑問に思う方もいるかもしれませんが、指先がしっかりとしていれば、背中や肩、そして腕の力を使って弾くことが出来ます。
力は上から下に移動する方が自然なので、どちらかといえば肘より手首が下の方が、体重を掛けるという点では適しています。
これはイスを高めに設定した状態ですね。
しかし、これでは姿勢が安定しないのです。
私は基本的に、演奏中はいつも腰を意識しています。
腰が安定しないと、力のコントロールが自由にならないのです。
腰で体を支えるためには、イスを低めに設定した方が良いでしょう。
そして体重を指先にかなりかけるときは、前傾姿勢になるので、足でも体を支えるイメージとなります。
この状態のときにも、イスが高過ぎると不都合になります。
このように、色々な要素からイスの高さを決めていますが、大切なのは自分が弾きやすい高さを見つけ出すこと。
このシンプルな方法が、一番確かだと思います。
子供の頃は足台も使いまし、まだ指先の訓練が足りない上に力も弱い中、ピアノは子供も大人も同じサイズです。
子供にとっては、イスの高さが割りと重要な要素となってくるように思います。
私も、とても多くの先生方からイスの高さに関してアドバイスを頂きました。
子供の頃は「初めて弾くピアノ、初めて座るイス」というものにも慣れておらず、本番で演奏直前に、三度ほどイスの高さを調整することもありました。
ステージに出てきて、お辞儀をして一度イスに座る。
高いなと思って、調整。
少しイスを下げ、またイスに座る。
今度はイスが低くなり過ぎたので、また調整。
少しイスを上げて、またイスに座る。
この程度の動作は、聴き手によっては何も気にならないことかもしれません。
ですが、やはりステージ上でのパフォーマンスとして考えた場合、なるべく登場から演奏まではスムーズに行いたいものですよね。
そこで、ピアノの鍵盤とイスの高さの関係を、大体で良いので目で見て判断出来るようにしておくと良いでしょう。
慣れてしまえば、目測でもさほど狂わないものです。
お辞儀をしてピアノの方を向く。
そこで「ちょっと低いな」と思ったら、そのままイス調整をする。
そして初めてイスに座る。
その高さがちょうど良ければ、これで終わるのです。
ピアノの高さを決めるためのポイントとして、指先への力の掛かりやすさと、姿勢の安定について説明しました。
これらの点を意識して、まずは自分に適したイスの高さを見つけて下さいね。
見つけることが出来たら、鍵盤との位置を目で把握し、すぐに調節出来るようになりましょう。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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