全州でワインを生産しているイタリア。豊富なブドウ品種と気候で作られたワイン文化 (2/2)

執筆者: 鈴木暢彦 職業:ソムリエ・ワイナリーツアーアテンド

イタリアは土着品種の国

最後に、イタリアワインのもう1つの大きな特徴を挙げましょう。

それは、ブドウ品種の多様さ。


プーリア州の土着品種の一つであるNERO DI TROIA ネロ・ディ・トロイア種


イタリアは、全国でブドウ生産が可能ですが、1種類の品種が、全国で植えられているわけではありません。

北はアルプス山脈の冷涼なエリア、南はシチリアの温暖なエリアまで、その土地や気候に適応する、あるいは、適応するために進化した品種などが数多くあります


そこには、ギリシャから南イタリアにブドウ品種が伝わり、派生した、長い歴史が背景にあります。交配を繰り返しながら、長い年月をかけて誕生したイタリア特有の地ブドウ品種。

これらの土着品種の数は、イタリア全国で400〜600種ともそれ以上とも言われています。

 

今もなお、多くの研究者たちが未確認のブドウ品種の解明に努めています。
イタリアは、世界一のワイン生産国であるとともに、世界で最も土着品種が多い国でもあるのです。

おわりに

イタリア全国で、様々なブドウ品種から造られる、その土地固有の味わいを持つワイン。

その種類は計り知れません。

どんなに優秀なソムリエやジャーナリストでも、全てのイタリアワインを完全に理解し、掌握することはできないでしょう。

 

イタリアワインはミステリアスだからこそ楽しいのです。

現代のイタリアワインの魅力。

それは、奥深さと、その無限の可能性を秘めるワインへの探究や出会い。
皆さんもぜひ、この奥深い世界へ一歩足を踏み出してみませんか?

 
 コラムニスト情報
鈴木暢彦
性別:男性  |   現在地:シエナ  |   職業:ソムリエ・ワイナリーツアーアテンド

2008年 日本ソムリエ協会 ワインエキスパート取得
2009年 4月 イタリア トスカーナ州フィレンツェへ
2009年 10月 シエナにある国立のイタリアワイン総合文化施設エノテカイタリアーナにて研修
2010年 エノテカイタリアーナ ソムリエ
2014年 エノテカイタリアーナを退職
      イタリアソムリエ協会 AISソムリエプロフェッショニスタ資格取      得
      中心街のリストランテで働きながらワイナリーツアーなどを行う。
      訪問ワイナリーは70件以上
      日本のインポーターへのワイナリー紹介など

鈴木暢彦

ブログ 新イタリアワイン エノテカイタリアーナ
    http://enoteca-italiana.ldblog.jp/

問い合わせ nobu.enotecaitaliana@gmail.com 

 

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