日本酒をワイングラスで。お猪口やぐい呑みでいただく時との味の変化は?アルコールを楽しむ酒器文化 (1/2)
最近雑誌で日本酒をワイングラスで飲む企画を見かけるようになりました。
記事を読むと、とてもスタイリッシュで日本酒が一層お洒落になった感じがします。
ただ、ワイングラスと日本酒は本当に合うのだろうかと、疑問が湧いてきました。
ワイングラスはワインを美味しく飲むための酒器で、お猪口やぐい呑みは日本酒を美味しく飲むための酒器です。
ではワインを美味しく飲むためのワイングラスで日本酒を飲んだ場合、はたして美味しく飲めるのでしょうか。
実は30年近く材質の異なる陶磁器・グラス・漆器などの酒器で飲み比べをしているのですが、不思議なことに同じお酒でも材質が変わると味わいも変わります。
あらためて日本酒を陶磁器とワイングラスで試してみました。
試したお酒は、フレッシュ&フルーティーなお酒、深い味わいのお酒など3種類で行いました。
酒器は陶器のぐい呑みとオーストリアのリーデル社SakeTasterグラスで比べてみました。
3種類のお酒をそれぞれ比べた結果、共通する味の印象は以下の通りです。
香りは分かるのですが、意識して嗅がないと香りがハッキリ分かりません。
味わいは甘味が豊かにふくらみ、柔らかな旨味を感じます。
後半は爽やかに切れていき、切れが良い印象です。
形状により香りが明確に分かるのが良いです。
味わいは豊かな味のふくらみに欠け、線が細くスッキリした味わいに感じます。
アフターの余韻が長く、切れが今一つのため爽やかさを感じませんでした。
またお酒によっては苦味や渋味を感じました。
以上のように、陶器の方が日本酒を飲むには適していると感じました。
何より飲み終わった後美味しいと思えるのは陶器の方でした。
ただ、比較的スッキリとした味わいに感じるグラスは、ドロッとしたにごり酒などを飲むときはスッキリと感じられるので向いていると思います。
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