サンドブラストで作る、華麗なペンダントアクセサリーの作品集 (1/2)
こんにちは、ガラス工芸家の吉村凌駕です。
砂状の研削材を加工対象物に吹き付けて彫刻する、サンドブラスト技法による作品作りも、今回で2回目となります。
今回はそのサンドブラスト技法を使って作った、各種ペンダントについて紹介してみたいと思います。
まずは透明度の高いクリスタルガラスとして有名な、オーストリアのガラスメーカーから輸入したクリスタルガラス。
そちらにオリジナルデザインのイニシャルを彫ったペンダントです。
このクリスタルガラスのハート形のものは、周囲のカットまでガラスメーカーでカットし、磨きがかけられたものを使用しています。
また、右側のものは、略円形のクリスタルガラスの周囲が金枠で覆われたものを使用しています。
これらのペンダントは、共に裏側からイニシャルを逆向きにして彫り込んで、前面から見たときに文字が浮き上がって見えるようにしています。
特に右側のペンダントは、イニシャルを彫りこむスペースが直径2mmの円の範囲しかありませんので、10倍のルーペを使用して繊細な彫り込み作業をしています。
次は、少し高度な加工技術を必要とする図案を彫った作品の紹介です。
これは、共に女性をモチーフにした作品です。
タイトルは最初のものが「水辺の女性」、次のものが「ショールを巻く女性」です。
これらの作品は、彫りの深さを何段階かに変えて立体感を出す、段彫りという技法を使って作成しているのですが、加工対象がペンダントという小さなものであるため、非常に神経を使う大変な作業となります。
クリスタルガラスの彫り込み側となる裏面に、図案部分をカットして切り抜いたシートを貼り、そのシートを切り抜いた部分に砂を吹き付けます。
すると、その切り抜かれた部分が砂により削れますので、ガラスを表側にひっくり返して見ると、右側の画像のように図案部分(この画像のものは初恋草)が浮き彫り状態になります。
これは天然石のトルコ石にイニシャルを彫ったペンダントと、人口の真珠にイニシャルを彫ったペンダントです。
これらの素材は不透明ですので、この場合には表面側にイニシャルを彫ります。
また、彫り込んだ部分は、そのままでは凹んだだけでイニシャルが見えにくいため、この作品ではそこに色を象嵌しています。
これは、ルビー、サファイヤ、エメラルド、オパールといった宝石を使用した作品です。
最初の作品では、女性の髪の部分にルビーとエメラルドを使用し、イヤリングの部分にサファイヤを使用しています。
右側の作品は、亀の部分にホワイトオパールを贅沢に多数使用しています。
これらの宝石類は、ペンダントの表面に宝石サイズに合わせた円形の溝を、サンドブラストで彫り込み、そこに宝石をそれぞれ強力な接着剤で固定しています。
最初にお見せした画像の作品は、猫好きの方にプレゼントするために作ったペンダントでして、そのプレゼントする人のイニシャルMを猫の姿勢で表現するようにしたものです。
このペンダントに使用した素材は、彫り込んだ部分が良く見えるように、黒色をした天然石であるオニキスを使用しています。
また、次の画像に示したものは、クリスタルガラスのペンダントなのですが、「いるか」好きの女性に贈ったもので、その方のイニシャルが「Y」でしたので、2頭のいるかを前後に立体的に配置してYに見えるように工夫したものです。
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