アダルトチルドレン(AC)って?機能不全家族の中で「子どもらしく生きられなかった」大人たち

執筆者: 藤田洋子 職業:心理カウンセラー
はじめに

こんにちは、心理カウンセラーの藤田洋子です。

みなさんは「アダルトチルドレン」という言葉を、聞いたことがありますでしょうか。
今回は、私の専門分野とも言えるアダルトチルドレンについてお話しします。

アダルトチルドレンの定義
1970年代のアメリカで、社会福祉援助者が発見

アルコール依存症の親の元で育った子供が心の傷(トラウマ)を持ったまま大人になり、その為、生きづらさを感じ、対人関係や自分自身に対して特徴的な問題を抱えていることがわかりました。

 

アルコール依存症、家族関係の悪影響などが原因

その後、アメリカのソーシャルワーカーであるクラウディア・ブラックの研究により、アルコール依存症の親だけではなく、家族関係の悪影響にも、同じような心の傷や特徴が見られることが分かりました。

 

子供の成育に悪影響を与える親の元に育ち、大人になっても精神的影響を受け続ける人々

1989年、臨床心理学者の西尾和美氏により、アルコール依存症の親の元で育ち成人した人々という意味を持つ「children of Alicoholics」から、「アダルトチルドレン」という言葉を使うようになりました。

 

 

「機能不全家族」の中で暮らすと、どうなる?
  • アルコール依存症
  • 薬物依存症
  • 身体的虐待
  • 精神的虐待
  • 性的虐待
  • ネグレクト(育児放棄)
  • 過干渉
  • 夫婦不和

 

このような問題を抱えた家族のこと、機能不全家族を言います。

この状態が、頻繁に家庭の中で行われているということが特徴です。

 

機能不全家族の元で暮らす、子供たち

夫婦喧嘩が絶えない、暴力で言うことを聞かせようとする、子供の気持ちを無視する、親の言いなりになることを強いたりする環境であれば、子供たちはどうなるでしょうか。

 

大人の顔色を伺い、緊張状態が続く

子供たちは常に親の顔色を伺い、機嫌を損ねないように、怒られないようにと、緊張し続けることになります。
そして大人になり社会人として成長しても、他の人間関係でも常にこのような緊張感を無意識に感じます。

 

機能不全家族とは、歪んだ家族愛である

親は「子供の為に」と言いながら、子供の自尊心を傷つけ、全てをコントロールしようとしてしまうのです。

 

 

躾と言う名の虐待

子どもは間違いなく、親に依存しなければ生きていけません。
例え、理不尽な親の言動であっても、子供は従うことを強要されます。

 

虐待=酷使である

酷使とは、手加減しないで、厳しく使うという意味です。
小さな子供に躾けと称して手加減しないで厳しくするというのは、虐待であると言わざる負えません。

最近では、乳幼児の虐待がニュースでも頻繁に報道されます。

暴力以外にも心的操作や罵倒、皮肉、最低限の食事さえも与えず長時間放置するなど、あきらかに躾とは言えない、行き過ぎた行為であることは周知の通りです。

断ち切れない、家族連鎖
アダルトチルドレンの親も、アダルトチルドレン

例えば、暴力を頻繁に受けて育った子供です。

大人になり家庭を持つと、同じように暴力で自分の子供に言うことを聞かせようとします。

虐待を自分が身を持って体験し、その方法しか知らない

このような親にはなりたくないと思っていても、そのような行為をしてしまうということがあります。

機能不全家族に育った全ての人が、このようになるということではありませんが、何らかの影響を受けている可能性はあります。

アダルトチルドレンは病名ではない

自分がアダルトチルドレンであるかどうか。

それは、機能不全家族であったかどうかということと、アダルトチルドレンの持つ特徴的な考え方のクセなどがあるということを、自覚した時です。

次回はアダルトチルドレンの持つ、特徴的な考え方のクセについてお話しします。

 
 コラムニスト情報
藤田洋子
性別:女性  |   現在地:北海道札幌市  |   職業:心理カウンセラー

主婦であり、パートの仕事を持ちながら、心理カウンセラーとして活動しています。
コーチング、うつ病アドバイザーの資格を持ち、カウンセリングに取り入れています。
アダルトチルドレンの回復、人間関係などの相談を中心に、主にメールカウンセリングをしています。
心の在り方についてブログ更新中です。

HP http://counselinghappyulyses.jimdo.com/
ブログ きららの心理 http://ameblo.jp/happyulysses