日本人なら、ほとんどの人が好きだと答える温泉。私も暇さえあれば近場の箱根から青森まで出かけていくほどの温泉マニア。日本には有数の名湯がありますが、色々出かけた中でも個人的にオススメしたいのが万座温泉。年に2~3回は必ず行くほど、大のお気に入りです。


群馬県上信越の深い山道を車で走り抜け、標高1800mまで上がってくると、早速プゥーンと硫黄の匂いが漂ってきます。硫黄というと臭いイメージがあるかもしれないけれど、ここの匂いはなぜかとても心地よく、大自然の中の空気とともに清々しく感じるのが不思議。

万座温泉の特徴は、1日に540万リットルにも達する豊かな湯量と、日本一ともいわれるその硫黄の濃さ。糖尿病、五十肩、神経痛ほか、婦人病、冷え性、美肌など20項目以上で治療を目的とした湯治客も多いのだそう。

このエリアには古くから国で定められた限られた温泉旅館がありますが、私が毎回行くのが「万座亭」。「白鐵(はくてつ)の湯」といわれるこちらの温泉は、もちろん源泉かけ流し。


何がおすすめかというとここの内湯の雰囲気と、露天のロケーションの良さ。 重厚なヒバの木を囲んでつくられた内湯はひっそりと暗く、森に包み込まれているような感覚に。

その中で、湯気が立ち上る乳白色の熱めの湯に入ると、全身の力とストレスや疲れ、そして邪気までもが浄化されていくよう。温泉宿は露天がフューチャーされることが多いけれど、ここは内湯もそれにひけを取らないくらい極上なんです!


露天風呂は高原と一体感を味わえるような開放感のあるつくり。目の前と頭上には朝日山の絶景が広がり、野生に戻ったような気分を味わえます。

とくに、冬に訪れると周りは銀世界。ひんやりとした雪を感じ、こっくりとした熱めの湯につかっていると「生きててよかった」と、いつも思います。そして、ここに来る為に明日からまたがんばろう、という活力が湧いてきます。

また、濃い硫黄の美容効果にも毎回感動させられっぱなしです。硫黄には髪、爪、軟骨などの組織をつくるための物質が含まれていて、皮膚の再生を促進する効果があるとされています。

とくに、毛穴の黒ずみやニキビに効果があり、お風呂から上がったあとは全身のキメが整ってつるんつるん!これが、約2週間続くのが本当にすごい! まるで、高級な美容液につかっているような効果を感じます。気持ちも身体も、心底ほぐれます。(※個人の感想です)

日本にいるからこそ、気軽に堪能できるこの恵みをぜひ一度体験してみてください!

お問い合わせ:万座亭 公式サイト
(安田 光絵)

この記事を書いたコラムニスト

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