婚約指輪・結婚指輪と言えばダイヤモンド。価値(ランク)や価格を決める品質基準「4C」とは、どんな意味があるのでしょうか。マリッジリングの宝石の選び方を解説します。

憧れの婚約指輪、ダイヤモンド

こんにちは、リングプランナーの飯田馨です。

 

婚約の証として贈る婚約指輪。

贈る理由の多くは「昔から憧れていた」から。

 

その婚約指輪のイメージと言えば、素材はプラチナで宝石はダイヤモンドでしょうか。

実際に、ほとんどの方の婚約指輪に選ばれています。

 

2人が納得できる指輪選びを

最近では、プロポーズ前に女性から断ることもあるそうです。

婚約指輪にお金を掛けるのはもったいない、というのがその理由。

 

しかし、男性にとってはケジメの意味もある婚約指輪。 

どうせ買うなら、2人にとって良い婚約指輪を選びたいですよね。

 

そこで今回は、ダイヤモンドをの品質を知るための4つのC「4C」についてご紹介します。

 

 

質量を表す「Carat」カラット

カラットは、ダイヤモンドの重さを表します。

 

1カラット=0.2グラムです。

重さと大きさは比例しますので、重い方がより輝きは増します。

 

なぜ「カラット」で表すのか

その理由は、昔、ダイヤモンドがイナゴマメ何粒分の重さか、で取引されていたことに由来します。

地中海から中近東・インドで採れるイナゴマメの乾燥種子の重さは、約0.2 gと均一に採れたため、分銅として使われていたのです。

 

カラットは、ギリシャ語のイナゴマメを意味する「キャラテイオン(keration)」が語源だと言われています。

 

透明度を表す「Clarity」クラリティ

クラリティは、ダイヤモンドのキズや内包物を評価したものです。

評価は11段階に分かれています。

 

  • FL:10倍の拡大で内包物が見つからない
  • IF:外部に微細なキズが見られるが、10倍の拡大で内包物が見つからない
  • VVS1~2:10倍の拡大で発見が非常に困難な内包物がある
  • VS1~2:10倍の拡大で発見が困難な内包物がある
  • SI1~2:10倍の拡大で発見が容易だが、肉眼では困難な内包物がある
  • I1~3:肉眼で発見が容易な内包物がある

 

多いのはVVS以下

10倍の拡大鏡でキズが全くないのは「FL」や「IF」です。

しかし、数も少ないことから、内包物の発見が極めて困難な「VVS」以下をお勧めしているところが多くなります。

 

また、日本では純粋無垢や無傷のイメージを大切にする方は多く「SI」が婚約指輪に相応しいかどうかは、意見が分かれます。

見た目でも内包物が分かる「I」は、ほとんどのところで扱われていません。

 

形と仕上げを表す「Cut」カット
婚約指輪の主流はラウンド・ブリリアント・カット

1919年にマルセル・トルコフスキーが見出した、ダイヤモンドの光学的特性に基づいたラウンド・ブリリアント・カット。

そのラウンド・ブリリアント・カットのプロポーション(形)とフィニッシュ(仕上げ)により、カットの5段階の総合評価がなされます。

 

  • Excellent(エクセレント)
  • Very Good(ベリーグッド)
  • Good(グッド)
  • Fair(フェアー)
  • Poor(プアー)

 

なお、婚約指輪では「Fair」や「Poor」は扱われません。

 

ダイヤモンドは永遠の輝き

カットは、ダイヤモンド選びでも重要な要素となります。


ダイヤモンド自体が光を発する訳ではなく、外の光を一度受け止めて、その光を反射してキラキラと輝くのです。
つまり、光を上手く反射できずに、輝きが落ちているのはカットが悪いのです。

 

 

プロポーション(形)とは

プロポーションとは、様々な鑑定要素を含んでいます。

下記はその一部です。

 

  • ダイヤモンドの深さ
  • ガードルの厚さ
  • テーブル径
  • ファセットの角度

 

ダイヤモンドは、屈折率が非常に高く、プリズム効果と呼ばれる色の発散が大きくなります。 

そのため、プロポーションの優劣は、ダイヤモンドの輝きに大きく影響するのです。

 

フィニッシュ(仕上げ)とは

ダイヤモンドの美しさにおいて、表面の状態も重要です。

一面が均等か、面に歪みがあるかで、表面部分の光を跳ね返す強さに影響します。

 

また、ダイヤモンド内部に入った光は分解されるため、対称性(シンメトリー)でなければ輝きもまばらです。

 

 

フィニッシュとは、以下の項目から成っています。

 

  • シンメトリー(ダイヤモンドの形状やファセットの対称的な配置と場所の正確さ)
  • ポリッシュ(研磨済みダイヤモンド表面状態)

 

フィニッシュの優劣もまた、ダイヤモンドの美しさに大きく影響します。

 

ファンシーシェープと呼ばれカットもある

他にもファンシー・シェープと呼ばれる「オーバル」「ペアシェープ」「マーキーズ」「ハートシェープ」「プリンセス・カット」なども人気はあります。

 

しかし、日本で婚約指輪と言えば、ほとんどがラウンドカットです。

 

無色透明ほど美しい「Color」カラー

無色透明に近いほど、希少価値が高くなるダイヤモンド。

婚約指輪に使われるのは、無色系ダイヤモンドになるでしょう。

 

カラーの等級は、D~Zの全23段階に分けられ、無色透明の「D」を最高位とし、黄色みを帯びるほど「Z」評価に近付きます。

D~Gまでは、無色ないしほとんど無色で、目でその色を確認するのは困難です。

この記事を書いたコラムニスト

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