牛・豚・山羊・羊、それぞれのレザーの違い!見分け方のコツや、どんな服や靴、鞄に使われているか解説します。汚れが落ちやすいのは?保温性は?

牛・豚・山羊・羊、それぞれのレザーの違いとは?

 

大人なら一つは持っている「革(レザー)製品」。

バッグや財布はもちろん、ベルトや靴のようなファッショングッズは今やレザーなくしては語れないほど。

ここでは主に流通が多い「牛」「豚」「山羊」「羊」の革の特性について簡単にまとめました。 

 

流通量が最も多い「牛革(カーフスキン・ハラコ)」

 

 

1.カーフスキン

牛革は市場での流通が一番多く、革の中でも最も多く使われています。

その中で最も有名な革がカーフスキン。

 

カーフスキンとは生後6ヶ月以内の仔牛の革(主に乳牛種のオスの革)のこと。

人間の肌が大人より子供の方がキメ細かいのと同じで、カーフは成牛革に比べ非常にキメが滑らかで美しく、キズも少ないのが特徴です。

 

また牛革全般の特性として、組織が密で体の部位による差が少ないという点からも、皮革の最高素材とされています。

実際には、生後2年以内の中牛の革であるキップも含めて「カーフ」と呼ばれることが少なくありません。

 

2.ハラコ

胎児から生後間もない仔牛から作られる革のこと。

出産前に死んだ雌牛の腹にいた仔牛から採れることが多いため「腹子(ハラコ)」 と書きます。

 

1頭の牛からとれる量は非常に少なく、市場に出回ることは少ないので、最高級素材として扱われています。

ハラコと書かれていても、ポニーを代用している場合もあるので、購入の際は確認をする事をオススメします。

 

汚れが落ちやすく、雨にも強い「豚革(ピッグスキン)」

日本ではあまり知られていないが 欧米では高級素材として有名。

毛穴が開いていることにより、通気性がよく軽さにも繋がります。

 

豚革は牛革よりも耐摩耗性に優れており、雨にも強いのが特徴です。

牛革はオイルが抜けると硬くなるのに比べ、豚革はしっかりとしており、少しの汚れならさっと拭くだけで落ちます。

 

とくに鞄には理想の素材と言われ、欧米でも高級素材として珍重されています。

鞄ツウはわざわざ豚革のものを探して買うほど。

 

薄くて耐摩耗性が強い「山羊革(ゴートスキン)」

 

 

大人の山羊の革のことを指します。

銀面(革の表面)の個性的な凹凸シボ模様と、独特な毛穴の形が特長的。

 

山羊革は繊維は充実していて硬く、その分薄くても強いのが嬉しいですね。

牛革よりも強く耐摩耗性にも優れていて、弾力性に富むが型崩れしにくいことなどから高級靴に、また耐磨耗性に優れていることから本の装丁などに使われます。

 

柔らかくて保湿性が高い「羊革(ラムスキン・シープスキン)」

 

 

1.ラムスキン

生後1年以内の子羊の皮のこと。

ラムは子羊、スキンは小形動物の皮を指します。

 

羊革はもともと柔らかくて毛穴が目立たず、キメ細かいのが特徴。

その幼獣であるラムスキンの感触は、数ある皮革素材の中でも群を抜いてなめらかで、革とは思えないほどの柔らかさはシルクにも例えられるほど。

 

羊の皮の中では最高級とされています。

 

2.シープスキン

生後1年を過ぎた羊の皮のこと。

脂肪の穴が多く、毛を活かしてなめされたものは「ムートン」と呼ばれ、革に断熱&保温効果を高くする空隙(くうげき)を多く残すため、防寒用の衣料にも多く使用されます。

 

必然的に強度や耐摩耗性は他の革に比べ劣りますが、それを差し引いても余りある、しっとりと吸い付くような手触りの良さと、きめの細かさや柔らかさは抜群。

 

知っておくと便利なレザーの知識!

 

何のレザーを使っているかで価格がグンと変わります。

覚えておくと買い物時に役立ちますね。

この記事を書いたコラムニスト

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