「親が嫌いだなんて、わたしは悪い子…」自分を責めてしまう人のメンタルケア
親が嫌いな子は、悪い子?「親が嫌い」と感じてしまう理由とは?「父親や母親のことを好きになれない」という気持ちを否定する必要はありません。自分を責める苦しさから抜け出して。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
「親のことが好きになれない」、「親なのに…どうしてこんな気持ちになってしまうの?」と悩んでしまうことがあります。
親が嫌いと思ってしまうこと自体が良くないことで、自分は悪い子なのではないかと…。
この気持ちは、どこから湧き上がってくるのでしょうか。
親に対して「好きではない」と思ってしまうことは、本当に悪いことなのでしょうか。
「親が嫌い」という感情を持つようになるのには、心の中に複数の理由が存在します。
思春期になると、家族から自立しようと心が動きます。
自立するときに見られる子どもの行動が、今までと違ってくることはよくあること。
家族は、それに上手く対応することができず、「あの子はどうしてしまったの?」と右往左往してしまうケースが見られます。
そんなとき、子どもは「自分の行為は良くないのではないか」という罪悪感を持ち、自分(心の成長など)を犠牲にしてしまいます。
ここがきっかけとなり、親のことがイヤだとか、好きになれないなどの気持ちを持ってしまう場合があります。
しっかりと愛情を受け取って成長することができなかった場合や、虐待・ネグレストを受けた場合に生じる可能性が高くなります。
自分がされたことや感じたこと、不安などが無意識の中で嫌な気持ちを感じるようになります。
最初は「親が好きなのに、今は嫌い」という相反する気持ちになり、心の不具合のようなパズルのピースが合わないような何とも言えぬ嫌な気持ちを持つのです。
アレルゲンとなるものがあると、それを避けるようにしますよね。
心もストレスを受けると、自分の心を守ろうとします。
これが防衛機制です。
親に嫌なことをされたとき(過干渉など)に、自分の気持ちを守るために防衛機制が働きます。
以上、一般的な理由を3つ例に挙げました。
「親のことがイヤだ」と思うのは、1つの事柄だけが原因ではなく、積もり積もった何かが心の中にあるのです。
親を嫌うことは、決して悪いことではありません。
それだけは知っておいてほしいと思います。
上の「理由」の項目でお話ししたとおり、親に何かをされたことで、心が強いストレスを感じたり、自分を守ろうとしたりして起こっている気持ちです。
親を好きにならなければいけないという決まりはありません。
「○○でなければならない」という固定観念に縛られないで、「自分の気持ちを大切にしていこう」と思うことの方が大切です。
無理をすれば、それがさらにストレスとなってしまいます。
自分の気持ちを親に話す必要はないのですから、自分の気持ちに素直になってみましょう。
『親を嫌う=悪い子』という気持ちになってしまうのは、=(イコール)というところに固定観念を持ってしまっているだけのことなのです。
さまざまな原因があり、「親が嫌い」という気持ちになってしまっているだけです。
そこを否定する必要はありませんし、口に出して言う必要もありません。
そして、親が嫌いだからといって、悪い子になってしまうということでもないのです。
悪い子というのは、人を危険な目に遭わせようとしたり、自分の命を危険にさらしたり、他人に迷惑をかけたりした人に使う言葉です。
親を嫌いだからといって、生命の危険や迷惑をかける行為をした場合は、話は別です。
でも、思っているだけなら悪い子ではありません。
むしろ、自分の気持ちに素直でいられる素敵な子です。
自分を責めなくていいのです。
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