これでもガ⁉ チョウとガって何が違うの? 衝撃の事実!
チョウ(蝶)とガ(蛾)の違いは何でしょう?「チョウはきれいで、ガは地味?」「 チョウは昼間に、ガは夜に飛ぶ?」いろいろな種類を見比べながら、違いについて考えてみましょう。ガに興味がわくかも!?
こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士の金子大輔です。
この中でチョウはどれでしょうか?
そして、ガはどれでしょうか?
チョウが【3】【4】【5】【7】【8】、ガが【1】【2】【9】【10】です。
しかもなんと、【6】に至ってはチョウでもガでもない、アミガサハゴロモという半翅目(カメムシのなかま)です。
【1】ビロウドハマキ ※ガ
【2】オオミズアオ ※ガ
【3】ヒメアカタテハ ※チョウ
【4】キタテハ ※チョウ
【5】ルリタテハ ※チョウ
【6】アミガサハゴロモ ※半翅目(カメムシのなかま)
【7】イチモンジセセリ ※チョウ
【8】ギフチョウ ※チョウ
【9】オオスカシバ ※ガ
【10】キンモンガ ※ガ
では、チョウとガの違いとは何でしょうか?
多くの方は、次のいずれかの回答を思い浮かべたのではないでしょうか。
チョウはきれいで、ガは地味?
チョウは昼間、ガは夜に飛ぶ?
チョウははねを閉じてとまり、ガは開いてとまる?
チョウは毒がなく、ガは毒がある?
チョウの幼虫はイモムシ、ガの幼虫は毛虫?
実は、この中のどの基準を採用しても、例外だらけになってしまうのです。
マダガスカルに生息するニシキオオツバメガは、チョウではありませんが、見ていると息が苦しくなるほど美しいです。
また、冒頭の写真【9】のオオスカシバは、昼間に飛ぶガとして知られます。
チョウは日本に約240種、ガは約6000種が知られていますが、ガのうち毒を持つのは1%にも満たないほどです。
ガが毒を持っている割合は、全体からみると少ないんですね。
一方のチョウにも、毒を持つものはいます。
日本には触れるだけで危険なチョウはいませんが、体内に毒を持ち、鳥が捕食を避けるチョウは結構生息しています。(例:ジャコウアゲハ、カバマダラなど)
それでは、チョウとガっていったい何が違うのでしょう?
実は「明確な違いは存在しない」が正解と言えます。
昆虫のうちの鱗翅目という仲間の中から、テキトーに主観で「チョウ」を選び出し、それ以外を「ガ」としたのです。
日本語や英語ではチョウとガを区別するので、違う生物のように思ってしまいますが、フランス語など、多くの言語ではチョウとガを区別しません。
フランス語では、チョウもガも両方「papillon(パピヨン)」です。
ですが、「結局同じでした」ではおもしろくありませんよね。
ここでは、私なりにチョウとガの違いを強引に見出してみました。
複数の虫好きの友人たちも同じ意見なので、個人的な主観ではないはずです。
よく女性を「きれい系とかわいい系」に分けますが、それとまったく同じ感覚です。
チョウは体が細いものが多いのでモデルのようですし、ガは哺乳類のように「もふもふ」していてとても愛嬌がある顔をしているものが多いです。
※上の3つが美人なチョウ、下の3つがかわいいガ
【1】ベニシジミ
【2】アオスジアゲハ
【3】ミズイロオナガシジミ
【4】アメリカシロヒトリ
【5】チャドクガ
【6】サザナミスズメ
日本は「ガ差別」が激しく、ガは避けられがちです。
ですが、ガの魅力はチョウに負けていません。
まず、種類が桁違いに多く、多くの種でほとんど何もわかっていません。
一方のチョウでは、かなり研究され尽くした感が否めません。
ガは、少し調べるだけでごろごろ新事実が出てくるので、夏休みの自由研究対象としてもおもしろいと思います。
触れるのが危険な種はごくごく僅かなので、それさえ覚えてしまえば怖くもありませんよ。
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![金子 大輔](https://lattepictures.s3.amazonaws.com/u_d3/hc/qp/q2/4b/kf/dk/ce/sk/ie/jk/v6/eu/ug/5e/uv.png?Signature=3ehqZfy2FPWJsHeFc7xYg8IZqNY%3D&Expires=2115561661&AWSAccessKeyId=ASIAW2CT5TJQ7KEQHLHB&x-amz-security-token=IQoJb3JpZ2luX2VjEAgaDmFwLW5vcnRoZWFzdC0xIkcwRQIhAMXALNDYjx5mo922Aza92/3wA2v75FuYqQkUDPOQ8UlhAiA6rt6PRS1EuzSNv%2Bj8Y8wpmfdeWcGw78VyJXNcLm5eaSrMBQji//////////8BEAQaDDQ2ODMyNzQzODk0NSIMjjOsCthBDEgCUv%2BJKqAFqUxRe%2BUVAJ%2B21%2BhSRI1q%2BSoGpzyDhKST/NmT3YhAJhN/L4C1%2BpDhCqTI%2B4Nou8c1bMtBJjs0oJnVgE4ReZpmkFLKJlYj3Jt1rPUU3JMalIiTnqld1PdCjVtP9LHkGXt9aJwk/hYmKbyppm0S6WEMaOELpTBJ5Eso3/Q9YnayBQv4qDABqrDeafCA52Z6HgvAJJY19S4OuudvRN3MYqfE5uYAcHN1foBjXqEwhX%2B42/%2B2QLcrnmVMyztcNXiIaOKk6Irf5ollipFWdv6C7QzxtrJplhu10i80/4auBqEsb4st8wUpYuJ40sFtPtZCWFoOTdvL2U/SH9hjLADgaGilsUkcnKj1zRYtZLhZQjjeZS8BZ3akwQDnlHQz9J5pq/%2BUUXV9EhEk%2BgBdbsSM34Mta/13gcquncNqyvXLTgKSS3FdhIruYvGMMMUOtac5k5U2WEMhbU%2BdJdhc6xVgGGkZ1BDm/NLCVYIeRIznJqHaSHCh4T9rpFCfpPjZp0WX6bxmJYpQBgpF/K87ekEhEkSiRk85JPcBhZYht9yOmu1%2BP5DKgXE1Z5JX7k7G5c9tIdlfiBDr6SiI6JGj4Yn2HwOr64YoGodJJIoTXzaobWJJv/4hRCV%2BqvqtuQ8zFSN6pdJsBXGIP/9xxBVE7hXrmwR657H9bu2/9%2B5L0SlqW3sytCKoKQUCgMMY8%2BbGS%2BSXVWPCPJrwxwyBUAa0CpeG0zc5711LnNJCROmCaL627bLIE%2B3wckDpgu3mfCN6K5rihSZcW%2BJgKM41cqiKxrhuHRjPeIppz5Hgvy/eGP7UfVmGCq5IhfVMAxQ1DxcIbItLJ7jmS4lRGgMDXEZstM9bS1v9lM0bBYlSaLwUoLHvHIQyN1UnAI4eYcNqwnietzNIIAjgMPeAkbUGOrEBDlZMJdPf5Z31tKd71WAdcPhYsDsfUJnM0YbkJDzyanAtXjL2JlOH3C3Ve49R85REnbCLMwgq1gumgJGiX6aDIX4Y6vqReNyKB1VjobjNmztiaAH0Z84NyyQ1EG8tqQCYLncAqTTk%2B8aakkCvN2q4mXSmDEKZLG5YKxr83V/CRXMz1Pb2cPnGEMmprpF2Xsvif3rZDJ9DXMm3HZHwTLK9f5LU%2B9j2NQARxlh1yLBD%2BEwL&3)
生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。
著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』
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