【花粉症のオモシロ知識・雑学】昔の人が花粉症にならなかったのは、アレのおかげ!?
面白くてためになる花粉症の知識&雑学を紹介。「そもそも花粉症とは?」「どんな年に花粉が多いの?」といった基礎知識から、「花粉症を起こす植物の共通点」「花粉症を防ぐショッキングなもの」「赤ちゃんを動物園に」といった雑学まで。
こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士の金子大輔です。
大寒、そして立春が過ぎると、春が待ち遠しくなりますね。
ただ、春が来る前には、アレが憂鬱な方も多いのではないでしょうか。
そう、花粉症です。
今回は、毎年花粉が飛ぶ時期になると多くの人を悩ませている「花粉症」についてお話しします。
では、花粉症とは、そもそもどんな症状なのでしょうか。
特定の植物の花粉が目や鼻・のどの粘膜についたときに起こりますが、花粉が鼻や目をコチョコチョして痒くなるということではありません。
ヒトの血液中には、白血球という細胞があります。
白血球は、細菌やウイルスなど体内に侵入した病原体を排除するのが仕事です。
ですが、白血球はときとして暴走し、まったく無害な物質に過剰反応したあげく、自分の体を傷つけてしまうことがあるのです。
これが、アレルギー反応です。
白血球が、無害な花粉に過剰反応して、クシャミや鼻水・痒みなどに苦しめられるのが花粉症なのです。
ヒトが花粉症を起こしやすいものとして、スギ・ヒノキ・ブタクサなどが有名です。
これらに共通するのは、花が比較的地味であること。
派手な花を咲かせる植物が花粉症の原因になることは、ほとんどありません。
左から、スギ・ヒノキ・ブタクサ
派手な花は、昆虫をおびき寄せる目的があります。
派手な花をつける植物は、昆虫に花粉を運んでもらう「虫媒花(ちゅうばいか)」なのです。
一方、風で花粉を運んでもらう「風媒花(ふうばいか)」は、花が派手である必要がありません。
風媒花は風で飛ばされやすいよう、軽い花粉を大量に作ります。
これが、しばしば花粉症の原因になってしまうのです。
スギやヒノキの花粉形成には、前年の夏(6月~8月)の気象条件が大きく影響します。
猛暑で雨が少ないと花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数が多い傾向にあります。
日本気象協会の花粉飛散予測では、前年6月と7月の気象条件を重視して予測を発表しています。
さて、気になる今春の飛散量ですが、日本気象協会の花粉飛散予測によりますと、昨年よりは多い傾向にあるものの、全国的に例年並みか少ない予想のところが多くなっています。
西日本では2月上旬から飛散が予想されているので、あらかじめ耳鼻咽喉科や皮膚科などの医師に相談し、薬を処方してもらうとよいでしょう。
なお、最近の研究でショッキングな説が浮上しています。
「サナダムシなどの寄生虫が、花粉症を防いでくれていた」という説です。
かつては、ほとんどの日本人が寄生虫を持っていました。
ですが、衛生状態がよくなるにつれて寄生虫は激減し、同時にアレルギー疾患が激増したということです。
敵だと思って必死に退治していた相手が実は味方だった……とても悲しい話ですね。
この説には賛否両論あるようですが、行き過ぎた清潔志向を見直すきっかけになりそうです。
ただ、清潔すぎる環境で育つと、アレルギー疾患が起こりやすいことは確かなようです。
かといって、乳幼児をわざと不衛生な環境に置くのも気が引けます。
そこでよく言われるオススメの方法が、「1歳になるまでに動物園に連れて行く」こと。
動物園に入れば、目に見えないさまざまなものが飛び交っています。
そうした環境に触れることで適度に白血球が鍛えられ、暴走しにくくなるというわけです。
赤ちゃんのいるご家庭は、動物園へのお出かけを計画してみてはいかがでしょうか。
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生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。
著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』
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