先日の雪は何位にランクイン?東京の大雪ランキング TOP5(平成版)!
平成元年以降を対象にした、東京の大雪ランキングを1位~5位まで紹介。記録的な大雪第1位の積雪量は何cm?東京で大雪が降るのはどんなとき?気象予報士が解説。
こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士の金子大輔です。
22日の大雪には本当に驚きましたね(2018年1月)。
東京も積雪23センチ!
交通などは大混乱に陥りました。
2、3センチの積雪で混乱が生じるほど雪に弱い、言い換えれば、それだけ積雪が珍しいのが東京です。
前回のコラムで、「雪国」は世界トップクラスの豪雪地帯だと書きましたが、狭い日本でも地域によって雪へのイメージはこんなにも大きく異なるのです。
一般的な「冬型の気圧配置」のときには、東京では雪はほとんど降りません。
東京で雪が降るのは、「南岸低気圧」と呼ばれる低気圧が、日本の南海上を東寄りに進んでいくときです。
低気圧とは、周りの空気を吸い込む「掃除機」のような物体です。
「南岸低気圧」は北から寒気を、南から暖気を巻き込みながら発達します。
低気圧が発達して寒気が強く巻き込まれると、東京でも大雪になるのです。
1ミリの降水(雨)が雪になると、はたして何センチくらいの積雪になるのでしょうか?
気温が0℃台前半だと「降水量1ミリ=積雪約1センチ」と考えることができます。
1日で5ミリの雨が降ってもまず混乱はありませんが、雪になると5センチの大雪となってしまうのです。
それも、ほんのわずかな気温差でこの違いは生じます。
およそ3℃以下になると雨は雪へと変わる可能性が高まり、1℃を下回るとどんどん積雪していきます。
しかも、0℃台後半か、0℃台前半か、あるいは氷点下か、で積雪のスピードは大きく異なるのです。
雨か雪か大雪か…ほんの0.5℃の違いで状況はまったく変わってしまうという、気象予報士にとってはまさに恐怖の大魔王です。
では次に、平成に入ってからの東京の大雪ランキングTOP5を見てみましょう。
※ランキングの中に同一値のものがあります。気象データの慣例として、同一値の場合は日付が新しい方の順位を上げることが多いため、今回はそれにならってランキングしました。
次にランクインしている1994年の事例に比べ、さらに荒々しさが特徴的な大雪です。
降水量は50ミリ以上で、暴風や雷を伴いました。
気温が1℃前後と、大雪にしては高温でしたが、降水の激しさゆえ、大雪になったパターンです。
都内の中学入試の日でもあり、受験生にとって酷な大雪になりました。
降水量20~30ミリがほぼ氷点下で降ってしまい、千葉も積雪23センチ。
各地で雷が鳴りました。
もっとも最近の大雪です。
低気圧の発達具合も「そこそこ」で、降水量も(20ミリ前後と)極端に多くないにも関わらず、ほぼ氷点下で降ったために積雪を伸ばした点が、4位にランクインした1994年の事例と似ています。
記憶に新しい4年前の大雪です。
戦後4番目となる27センチの積雪を観測。
30センチの積雪を記録した1969年以来、45年ぶりの大雪になりました。
南岸低気圧と寒気の流れ込みがぴったりと一致。
30~40ミリの降水の大半が、氷点下で降ってしまいました。
東京以外の地域でも大雪となりました。
熊谷:43センチ(60年ぶり)
千葉:33センチ(史上1位)
横浜:16センチ
2014年2月8日の雪から7日後、2014年の「大雪コラボ弟」です。
南岸低気圧が発達しながら関東へ上陸。
たとえ雨で降っても危険なほどの、100ミリ以上という降水の半分近くが、雪として降ったからたまりません!
平野部の各地で50センチ以上の積雪、すべて雪として降った山梨県河口湖では143センチ。
1日で150センチ近くも積もることは、世界レベルでもそうそうありません。
このとき、雷も伴いました。
雪が積もると、見慣れた近所の景色も一変しますね。
地球温暖化が進むと、イメージとしては雪が減りそうですが、むしろ雪が降るようになるという説もあります。
次回、大雪に見舞われるのは何年後でしょうか。
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生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。
著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』
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