風邪に効果的な薬膳メニュー
風邪と言えばウイルスや細菌が原因というのが西洋医学の考え方ですが、中医学の場合は邪気が原因と考えます。
日本語で風邪を「風邪」と書きますが、これは中医学の影響で、自然界にある「風」が邪気を運んできて体内に侵入すると考えられています。風は四季を通して一年中吹いています。それぞれの季節によって、風の邪気の性質が異なります。
一般的に風邪というと「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、悪寒、発熱」などの症状すべてを指しますが、喉が痛くなる風邪、体の節々が痛む風邪など、いろいろな種類があります。
「風邪と言えばこの風邪薬」などと同じ薬に頼ったり、「風邪の時は生姜」など同じ食材で対処していると逆効果になることがあるので気をつけましょう。
・風と寒による寒性の風邪(春・冬に多い)
鼻水の出る鼻風邪など、風と寒の邪気による風邪。→温める食材で対処する。
・風と熱による熱性の風邪(春・冬・夏に多い)
ねばった痰が出る喉風邪など、風と熱の邪気による風邪。→冷やす食材で対処。
・暑さと湿による熱性の風邪(梅雨・夏に多い)
頭痛やだるさ、吐き気などを生じる、暑さと湿の邪気による風邪。→いわゆる暑気払いの食材が効果的。
鶏ささみとネギのスープ
薬膳ポイント:初期の風邪の症状は、邪気が体の表面や浅いところにあるので、発汗作用によって風邪の邪気を汗とともに追い出す「解表(げひょう)」という薬膳処方をとります。そして消化系に関する「脾」を優しく養生するには、鶏肉の中でも脂身が少ない良質のたんぱく質が豊富な「ささみ」を使用します。
ささみは淡白で旨味があまり出ないので、味付けの補助的役割として市販の鶏がらスープを使用します。鶏がらスープには初めから「塩」が入っているので、これ以上の塩分をカットする上でも、市販のだし調味料を上手に使う工夫も薬膳に取り入れてみましょう。
■材料(2人分)
・鶏ささみ 2~3本
・ネギ 1本
・生姜 1/2かけ
・鶏がらスープ 小さじ3(顆粒)
・ごま油 大さじ1
・お湯 2カップ強
■作り方
1、材料を切る。鶏ささみは約1cmのぶつ切り。ネギは約1cmの小口切り。生姜は千切り。
2、鍋にごま油を入れ、熱し、生姜・ネギを弱火でじっくり香りを立たせます。
3、中火にし、2に鶏ささみを入れて表面に薄い焼き色がつくまで炒めます。
4、3にお湯・鶏がらスープ(顆粒)を入れ、弱火でじっくり10~15分煮込みます。
これで完成です。
風邪におすすめの薬膳料理で、少しでも早く改善するといいですね。
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