皆さん、こんにちは。
スキンケアカウンセラーの松原好克と申します。

近年「ピーリング」が認知度を高めております。

美容皮膚科では「ケミカルピーリング」と呼ばれ、シミ・シワ・ニキビなどの治療に活用されており、若返りを促進する美容医療として人気があります。

ご自宅で出来るホームピーリングも近年登場しており、当然クリニックで受けるものよりも弱めですが、継続的に行うことでマルチな効果を発揮します。

ピーリングは「皮をむく」という意味で、スキンケアでは、肌表面の古い角質を取り除く作用を表します。

歳を重ねるごとに角質が厚くなり、肌の代謝を阻害するため、適度に古い角質を取り去ることで皮膚の再生を活発にする目的のアイテムです。

ピーリング化粧品は様々なタイプが開発されております。

代表的なものを挙げてみました。

• 固形石鹸タイプ
• ツブツブが入っているスクラブ洗顔料タイプ
• 拭き取り型の化粧水タイプ
• 擦ってボロボロと角質を剥がすジェルタイプ
• 塗ってそのまま放置してから洗い流すクリームタイプ
• 塗りっぱなしにする美容液タイプ

ポイントとしては、擦るものは繰り返すことで肌への負担になるため、避けた方が良いということです。
擦る刺激を慢性的に続けると、肌が黒ずむ(炎症性色素沈着)原因になるため、自らシミを作っているのと同じことなのです。

そのような観点から判断すると、肌に塗ってそのまましばらく放置した後に、ぬるま湯や洗顔料で洗い流すジェルやクリームタイプ、あるいは塗りっぱなしにする美容液タイプがベターです。

ピーリングに使われている成分は、AHAと呼ばれる、グリコール酸・乳酸・フルーツ酸などの"酸"で、擦らなくても自然に古い角質を溶かす作用があります。

酸の濃度を売りにしているピーリングがありますが、ピーリングに重要なのは酸の濃度よりもPH（ペーハー）です。
※PH（ペーハー）の説明は長くなりますので省略します。

化粧品は、通常は刺激がない物が良いとされています。

しかしピーリングに関しては、肌に塗ってしばらくするとピリピリ感（古い角質を溶かす際に現れる感触）がある方が効果的です。
つまり、PH（ペーハー）が弱い物は肌当たりが優しく刺激を感じませんが、ピーリングとしての効果は首を傾げたくなります。

しかし消費者は、肌に優しいことを理由に刺激が少ないものを選択する確率が高いため、PH（ペーハー）の数値を公開している物はほとんどありません。
売るためのカラクリというわけです。

復唱しますが、ピーリングは、ある程度ピリピリするものでないと意味がないのです。

では、ピーリングはどのような人にお勧めなのでしょうか。

くすみは、加齢によるターンオーバー（肌の再生サイクル）の遅延が主な要因です。

古い角質を取り去ることで肌代謝が活発になるため、顔色が明るくなります。

シミの元になるメラニンは、加齢によるターンオーバー（肌の再生サイクル）の遅延により色素が沈着しやすくなります。

古い角質を取り去ることで肌代謝が活発になるため、メラニン色素の排出を促します。

ハリの低下・シワ・毛穴の開きの原因は、全て真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの繊維物質の変性です。

加齢と共に、ターンオーバー（肌の再生サイクル）が遅延し、その再生力が衰えてきます。

古い角質を取り去ることで、肌代謝が活発になり、コラーゲンやエラスチンの生成にスイッチが入ります。

できてしまったシワなどを消すことは出来ませんが、根気よく続けることで進行を緩やかにします。

毛穴の黒ずみ(角栓)は、皮脂と角質が混ざり合って出来るものです。
原因となっている古い角質を取り去ることで、黒ずみ(角栓)を予防します。

ニキビにピーリングが良いというのはあまり知られていませんが、実はとても効果的です。

ニキビ原因の1つである毛穴詰まりを緩和します。

メイクのノリは、肌の水分と皮脂（顔の脂）のバランスで決まります。

皮脂の分泌はコントロールできませんが、水分保持力低下の要因である古い角質の肥大を解消することによって、保湿化粧品の親和性を格段にアップさせます。
その結果、メイクのノリの良さを実感できるというわけです。

上記の内容をよくご覧いただくと、ピーリングはエイジングケア全般に効果的だということが分かります。

さらに注目していただきたいのは、健康肌の源となるターンオーバーの遅延、その影響による古い角質の肥大蓄積、この部分を解消することによって、肌への変化が見られます。

つまり、加齢により少しずつ遅れ始める「ターンオーバー」をターゲットにした化粧品が、肌老化対策に最適ということになります。

美顔器など、ご自宅で出来る高度な美容法は色々と出回っております。

多方面に渡る効果を発揮するピーリングを使いこなせれば、きっと満足するスキンケアに辿り着けることでしょう。

各製品の使用方法を厳守する必要はありますが、1週間に1回が適度でやり過ぎは良くありません。

使用後に肌が異常に赤くなる、洗い流した後にヒリヒリした痛みが続くなどの症状がある場合は、中止した方が良いでしょう。
しかし、家庭用ホームピーリングには、皆さんが思っているほど強力なものはありません。

極度に肌の弱い人や敏感肌の人を除いては、使用方法をしっかり守れば怖がる必要はありません。

ピーリング後は、古い角質が取り除かれたことで突っ張り感や乾燥した感じがあるため、保湿ケア（美容液やクリーム）をしっかり行いましょう。
加えて紫外線を吸収しやすくなるため、日焼け止め化粧品を忘れずに付けましょう。
深刻に考える必要はなく、普段行っている紫外線対策を滞りなく続ければ大丈夫です。

肌が弱い人でもピーリングは可能です。

市販の物ではなく美容皮膚科に相談されると、ご自分に合った強さのピーリング治療を受けることが出来ます。

近年は、インターネット・携帯電話・スマホなどの普及により情報が溢れる時代になりました。
簡単に無数の通信内容を入手出来る利便性に反して、間違った美容主旨のものや風評が増えたのも事実です。

いかに肌のメカニズムに合ったスキンケアと化粧品を見極められるかが、美しく歳を重ねるための分かれ道になります。

ピーリングの効果は、エビデンス（科学的な根拠）において申し分ありません。
ホームエステを楽しむ感覚で取り入れてみる価値は十分にあります。

今後も、多くの人に笑顔と喜びを届けられるよう「本物」の情報を惜しみなくお伝えして参ります。