世界遺産より「産業遺産」!明治~昭和の日本を学ぶ産業遺産スポットまとめ -軍艦島・富岡製糸場・佐渡金山・足尾銅山・尾去沢鉱山-

執筆者: ドラヨス
はじめに

昨今、廃墟ブームとあって様々な書籍や写真集も出ていますが、廃墟探索には危険もつきまとい、初心者にはハードルが高いと思います。


そんな廃墟のような雰囲気を気軽に感じられて、その上歴史も学べてしまうという絶好の観光スポットがあります。
それが、産業遺産です。

 

産業遺産とは

そもそも産業遺産とは、どのような物のことでしょう?


我が国日本は、19世紀後半の幕末から明治期にかけて西欧から産業技術を学び、積極的に取り入れて発展していきました。
現在のものづくり大国としての礎が、この時期に出来たと言っても過言ではありません。


日本近代化から昭和中期頃まで日本の産業を支えた工場や鉱山などは、その役割を終え、現在は廃墟になってしまっているところも多いのです。
そんな産業を支えた遺産を「産業遺産」と呼んでいます。

産業遺産の中でも、単に廃墟として放置されているものもあれば観光資源として整備が進められているものもあり、世界遺産に推薦しようとする動きまで有ります。

今回は産業遺産の魅力と、初心者でも行きやすいスポットをご紹介いたします。

 

長崎県「軍艦島」(端島炭鉱)

やはり日本の産業遺産として一番有名なのは、長崎県にある「軍艦島」ではないでしょうか。
海底炭鉱の採掘のために、1890年に三菱によって造られた半人工の島です。


1916年(大正5年)には、日本初の鉄筋コンクリート製の集合住宅が建てられ、最盛期の昭和30年代には島の人口は5300人にも達していたそうです。
海に浮かんだ半人工島に、コンクリート製の集合住宅が立ち並び、煙突から黒い煙が立ち昇る姿は、まるで軍艦のように見えたことから「軍艦島」と呼ばれるようになったそうです。


しかし戦後のエネルギー転換によって需要が低迷し、1974年に閉山。
以後廃墟となっていましたが、昨今の廃墟ブームの後押しもあり観光資源として整備され、現在ではツアーで島の一部に上陸することが出来るようになりました。

グーグルのストリートビューでも、軍艦島の立入禁止部分も含めて見ることが出来るので、バーチャル探検をしてみるのも良いかもしれませんね。

群馬県「富岡製糸場」

 

群馬県にある富岡製糸場も、2014年に正式に世界遺産登録され、今話題の産業遺産です。
生糸の大量生産技術を開発し、絹の大衆化を成功させ、日本の外貨獲得に大きく貢献したのがこの富岡製糸場です。


創業は明治5年(1872年)、操業停止は1987年です。

 

 

操業停止後も、所有者や市民により保存活動の努力のおかげで、現在も創業当時の姿をそのまま見ることが出来ます

 

 

西洋の建築様式を取り入れつつ、瓦など日本の建築と融合した建物は、まさに今見てもモダン。
当時の生産技術と日本人のものづくり精神の高さに触れ、さらに近代建築の美しさにも触れられるのが、産業遺産の良さでも有ります。

 

新潟県佐渡ヶ島「佐渡金山」

 

17世紀、世界の金の一割を算出したという新潟県佐渡の大金山。

その歴史は古く、800年以上も前から金の採掘が始められていたといいます。

 

昭和13年(1938年)、諸外国による対日経済封鎖により金の大増産政策が開始され、まさに佐渡金山の黄金期となりましたが、その後5年で政策が縮小。

金の含有率低下もあり、1989年に閉山されました。

 

その後は観光地としても整備され、現在に至ります。
佐渡金山の魅力は実際に砂金採りなどを体験できるコースもありますが、やはりその選鉱施設の巨大さに目を奪われます。


 

遺跡と自然が調和する姿は、まさにラピュタのような不思議な空間となっており、非日常感を存分に味わえます。
世界遺産の暫定リストにも挙げられており、今後も目が離せない産業遺産です。

 

栃木県「足尾銅山」

 

1648年に江戸幕府の直営となった栃木県足尾銅山
17世紀末の最盛期には1500トンもの生産高を誇ったが、幕末期には採掘量も減り、廃山の危機に。

その後は実業家、古河市兵衛による買収で再び再開発され、明治20年(1887年)には日本の銅の生産の40%を占めるようになりました。


しかし、その頃鉱毒が問題となり、田中正造が明治天皇に直訴するなど社会問題に発展。
その後は対策がなされましたが、完全無毒化を実現するまで実に半世紀を要しました。

 

そして昭和48年(1973年)に閉山。


 

秋には、紅葉も美しいわたらせ渓谷鐵道と併せて観光するのもお勧めです。

坑道の中をトロッコ列車に乗って体験出来るコースもあります。

秋田県「尾去沢鉱山」

 

秋田県尾去沢鉱山の歴史は8世紀まで遡るとされ、戦国武将からは金の山として知られていたそうです。
明治時代に入り「富国強兵・殖産興業」政策の流れの中、尾去沢鉱山も近代的鉱山として発展していきました。

 

しかし、昭和に入って鉱石が枯渇し、昭和53年(1978年)に閉山。
現在はテーマパークとして公開されており、坑道やツアーも行われています。
尾去沢鉱山の魅力は、やはり煙突や選鉱施設が一体化し、山全体が改造された姿です。

 


映画のワンシーンのような迫力に目を奪われます。

 

おわりに

さて、一般の方でも安心していける産業遺産を5つご紹介しました。


近代日本の発展を支え、日本のものづくり精神の志の高さと、栄枯盛衰のわび・さびも感じられる巨大建築物ばかりです。
どこも、非日常感を感じられるところとなっております。

 

家と会社の往復の景色しか見ていないという方は、たまに非日常感を味わってみてはいかがでしょうか?きっと毎日の活力になると思います。

そして、また次の産業遺産を求めて旅したくなることでしょう。

 コラムニスト情報
ドラヨス
性別:男性  |  

自動車やB級スポット、写真、グルメ、カフェ、音楽、ねこが好き。

休日には車の試乗をしたり、昭和の雰囲気残る街並をカメラ片手に散歩してます。

「ワンダー速報」というブログを毎日更新で運営しています。
http://drumsyos.blog.fc2.com/

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