緊張した時の対処法は?本番での「あがり」を和らげ、上手に解消する方法

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
はじめに

こんにちは、ピアニストの小川瞳です。

今回は「ステージなどで本番の緊張をほぐす方法」についてお話していきます。

 

 

緊張をなくすことは出来ない

私は本番でとても緊張します。
昔は随分そのことで悩んだものです。
しかし最近は、緊張するのは当たり前の事という意識が定着してきました。

緊張をなくす方法に関する書籍もたくさん読みましたが、私の考えでは、緊張をなくすことは出来ません。
ただ「緊張しても演奏の精度を保つ」ことは、可能なのかもしれません。


そこで私は「本番でも演奏の精度を保てる方法はないか」ということを、いつも考えています。
なかなかその方法は見つかりませんが、私なりの考えをお話してみますね。

 

普段と違うピアノ・会場から来る緊張

まず、不安の原因として、ピアノの場合は「本番は家と違う楽器で弾く」ということが大きいかと思います。
ピアノというのは繊細な楽器なので、1台1台に個性があり、鍵盤の重さから、音の鳴り方、音の高低のバランスなど、随分と差があるのです。

 


またホールのステージというのも、かなり特殊な環境です。
ステージの大きさやライトの位置、数など、会場によって千差万別で、戸惑ってしまうことも多々あるかと思います。

そこで、可能であれば、事前に会場でリハーサルを行うこと、もしコンクールなどでリハーサルが出来ない場合は、前の出演者の演奏を場内で聴いておくことがお勧めです。

 

 

練習からステージで弾くことをイメージする

普段の練習から、ステージで弾く状態をイメージするのも有効だと思います。
普段から緊張感を持って、緊張した状態で練習出来れば、緊張することによる失敗を、随分と克服出来ると思います。

ピアノの場合は、手袋やカイロを常に持ち歩いて、手を冷やさないようにすることも大切です。

 

お客様と一緒に楽しむつもりで

そして次の心配は、お客様の存在ですね。
例えピアノを弾かなかったとしても、大勢の人々の前に立つということは、とても緊張することです。

しかし幸いなことに、私が携わるクラシック音楽は、天才作曲家が残した素晴らしい作品ばかり。
曲に力がないと、現代の私の手元に、この曲が伝わってくるわけがないと思えるのです。

そこで、どのような作品であっても、その音楽を信じ「会場の皆とこの音楽を楽しみたい」という気持ちになるように考えています。

 

考え方を変えることも重要

緊張による失敗が不安な方は、考え方を変えることも重要です。


音楽の良し悪しは、完成度の高さだけではありません。
緊張したことによって、ミスが増えたり、表現が固くなってしまったりするかもしれません。

 

しかし、本番にしか生まれない魅力が音楽にはあります。
臨場感のある演奏は、聴く者の心を揺さぶるでしょう。

 

自分と自分が弾く音楽に自信を持って、本番に臨んで下さい。

 

おわりに

音楽は元々とても感情的なものです。
緊迫感の中でこそ、良い音楽が生まれると言っても過言ではありません。

緊張しても前向きに取り組んでみて下さいね。

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8