芸術の秋おすすめのクラシック音楽はコレ!集中力を高め、深くリラックスできる曲まとめ

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
はじめに

こんにちは、ピアニストの小川瞳です。

今回は、芸術の秋にお勧めのクラシック音楽について、色々な作品解説も交えてご紹介します。

 

 

ヴィヴァルディ「四季」より『秋』

まず、季節感のある音楽として良く取り上げられる、ヴィヴァルディ「四季」より『秋』です。
こちらは、ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』における第3番の楽曲です。

 

Youtube引用

第1楽章では、秋の収穫を終えてブドウ酒を酌み交わしながら、大地の恵みを祝い浮かれ騒ぐ農村の様子が描かれています。

第2楽章では、弱めの甘いメロディで酔った村人たちが、ウトウトまどろんでいる様子を表現しています。聞いているとこちらまで眠くなってくるような音ですが、楽しく明るい音色ですので眠る前に聞くと愉快な夢を見せてくれそうです。

第2楽章では、夜が明け、再び村人たちは元気に狩りへ出かけていく様が、軽快なメロディで描かれています。

まさしく秋らしい音楽ですね。

ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』は、「四季」それぞれの情景が描かれているので、四季問わず楽しめますね。 

 

ドビュッシーの「月の光」

秋は月も美しいので、ドビュッシー「月の光」を楽しむのも一興でしょう。
この曲はディズニー映画「ファンタジア」、オーシャンズ11などの作品にも使用されている、大変有名な作品です。

 

Youtube引用

ドビュッシーの「月の光」は、「ベルガマスク組曲(全4曲)」の中の一曲です。
「ベルガマスク」とは北イタリアベルガモ地方の農民の生活という意味合いです。

 

「ベルガマスク組曲」は「前奏曲(Prelude)」、「メヌエット(Menuet)」、「月の光(Clair de Lune) 」、「パスピエ(Passepied) 」の4つで構成されており、今回ご紹介した「月の光」は最も有名な曲です。

ドビュッシーは印象派の先駆的存在で、フランス人らしい洗練された書法で、数々の名曲を生み出しています。 

 

クロード=アシル・ドビュッシー 

 

チャイコフスキーの「秋の歌」

チャイコフスキー『秋の歌』は、ロシアの風物詩を毎月ごとに描写した全12曲のピアノ曲集『四季』における10番目の曲、10月の歌です。

 

Youtube引用

『四季』は元々、音楽雑誌に毎月掲載されるために作られたようです。
それぞれの月の季節感を出して書かれた詩と合わせて、チャイコフスキーの曲が掲載されたそうです。

 

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

 

アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイによる秋らしい詩

チャイコフスキー『秋の歌』と共に、アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイによる次のような詩が掲載されています。

Осень, осыпается весь наш бедный сад,
Листья пожелтелые по ветру летят...

Autumn, our poor garden is all falling down,
the yellowed leaves are flying in the wind.

私達の庭から秋が
金色の木の葉の飾りを奪った
そして木の葉はゆっくりと
林の中を風にはためいて行く
アレクセイ・ニコラエヴィチ・トルストイ(Aleksey Nikolayevich Tolstoy/1883-1945)

 

おわりに

クラシック音楽は、長い歴史をかけて多くの研究家が研究を重ねています。
作品の背景を知ることで、より深く作品を味わうことが出来るでしょう。


ぜひ、気になる作品がありましたら、秋の夜長に色々と調べて、じっくりと音楽鑑賞をしてみてはいかがでしょうか。 

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
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