アダルトチルドレン(AC)が陥りやすい「共依存」とは?共依存の原因と克服方法
心理カウンセラーが解説! アダルトチルドレン(AC)の人間関係の1つに「共依存」があります。夫や親子、彼氏に依存してしまう共依存の克服方法とは。
こんにちは、心理カウンセラー藤田洋子です。
アダルトチルドレン(AC)の人間関係には「共依存」と言われる関係があります。
共依存とは何かを見ていきましょう。
特定の相手に対し、過剰に依存することです。
親、子ども、夫婦、友達、同僚、先輩など、身近な人間関係に依存します。
機能不全家族で育ったACは、愛情不足により、いつも寂しさや孤独を感じています。
それを埋めるために、アルコールや薬物、賭け事、買い物依存、ワーカーホリック、ダイエットなどに依存してしまうのです。
それら行為を「嗜癖(しへき)」や「アディクション」と言います。
そして、人間関係にも依存します。
例えば、DV(ドメスティックバイオレンス)では、男性が女性を暴力で支配しようとします。
逆の場合もありますが、その殆どは男性から女性に対しての暴力です。
酷い暴力が頻繁であれば、相手に問題があるとするのが健全な考え方でしょう。
しかし、DVの男性は、暴力を振るった後に許しを請い「もう絶対にしない」などと言い、優しくなります。
女性は、この優しい時の男性を信じ、私がいなければと思うのです。
また、アルコール依存症のパートナーに、お酒を飲み過ぎないようにと甲斐甲斐しく世話をします。
アルコールを飲んで暴れたり暴言を吐いたりしても、決して離れず、パートナ―を立ち直らせることができるのは私しかいないと思うのです。
共依存には「私しかいない」という心理が働いている
このように、問題のある相手を、自分で何とかしようとするのが共依存の関係です。
この心理には「誰かの役に立つ自分でいること」で、自分の存在価値を認めているのです。
母親と娘の関係にも共依存が多く見られます。
子供の頃から、母親の言う通りではない自分は悪い子だと感じてきたアダルトチルドレン(AC)は、大人になって、自分と親の価値観と違うと「自分が悪いのだ」と感じます。
よって、大人になっても母親がどう思うか、母親がどう感じているかをとても気にするのです。
過干渉の母親は、子供の意思や気持ちを考えることなく、親の思う価値観を押し付けます。
その子供は、自分で考えるという能力を奪われるのです。
放任主義の母親は、子供に無関心であり、母親は自分自身のことに常に一生懸命です。
そんな子供は逞しく自立するか、自分の存在価値が分からなくなるか、このどちらかになります。
辛い!でも離れられないのが共依存の人間関係
共依存の関係は、支配する側と支配される側で成立します。
そして、嫌だと感じていてもその関係から離れようとしません。
それが依存という嗜癖の怖いところです。
「苦しいけれども離れられない」というジレンマがあります。
また、ACは「NO」ということが言えません。
自分には無理と思うことでも、断ることができないのです。
そのため、支配する側は無理な要求をエスカレートさせていき、関係は更に悪化していきます。
共依存の人間関係を絶つのに必要な自立には、次の3つの要素が必要となります。
- 物理的な自立
- 経済的な自立
- 心の自立
相手と距離を置くということです。
例えば、DVのパートナーであれば、命の危険があるかもしれません。
身の安全を守るのが大事なことです。
経済的な自立
文字通りの意味で、金銭面において相手に頼らないということです。
心の自立
1人でもいられるということです。
自立とは、1人で何もかもをすることではありません。
それでは、自立ではなく孤立となります。
本来、自立しているということは、人を信頼し、自分のできないことは協力してもらうこと。
また、自分も他の人と協力できるということです。
それが、健全に社会生活を生きるということでしょう。
共依存の関係かどうか見極めるのは、相手との境界線が関係しています。
次回は、その境界線についてお話しします。
|
|
|
|