子供を叩く、蹴るは虐待?児童虐待の心理的原因と対処法
子供を虐待する原因と対処法を解説。怒鳴ってしまう、叩いてしまう、蹴ってしまう…子育てストレスに悩む父親・母親の心理を探り、虐待防止対策を考えていきましょう。
子供は可愛いものです。
映画『八日目の蝉』のワンシーンのように、「私の人生もあなたにあげる」と言いたくなるほど、子供と過ごす時間からは、生き甲斐や幸福感を得られます。
子供の幸せを願い、一心不乱に厳しい現実にも立ち向かっていく親業は、まさに偉業です。
それでも思い通りにならない育児に追い詰められ、時として、カッとなった親が子供を怒鳴る、叩くといった、捧げる思いとは裏腹な現状もあります。
今回は、児童虐待の原因と対処法に焦点を当てていきます。
結婚、妊娠、出産…といったことは、喜び事である反面、実は慣れない環境でのストレスが多分にかかっています。
中でも「育児」というのは、周りの目には見えないところで、かなり過酷です。
例えるなら、ガードマン勤務を24時間、365日体制で連続的にやっているようなもの。
核家族化し、密室育児になりがちな今の時代。
代わってくれる人や、良き理解者が傍にいてくれたら、心身ともにだいぶ楽なのでしょうが、ほとんどの養育者は、自分のことをする時間や気を休める時間など、皆無に等しいと言っていいでしょう。
そのような日常に拍車をかけるかのように、家庭の事情(経済的不安、配偶者への不満など)による悩み、不安、さらには思い通りにならない育児…と、イライラが募ります。
気分は落ち込み、ついには張り詰めていた糸が切れ…苛立たせる子供の言動に、激流のごとく押し寄せる感情。
「理想の育児と現実とのギャップ」で溜まったストレスが限界を超えて、感情が堰を切ったように溢れ出し、子供がそこまで悪いことをしたわけではないにせよ、もはや自分では制御できない状態にきているのです。
とはいえ、叩く行為は良くない行為です。
ただこれは、育った環境や家族の世代的連鎖によるところが大きいと思われます。
幼い頃の家庭内で、叩くなどの行為が何気なく繰り返されてきた。
あの頃と同じ状況になった時、決していい行為とは思えないが、それ以外(他の家庭のやり方は知りませんから)の方法を知らない。
本当は同じことを繰り返したくないのに、やり方がわからない…。
すなわち親自身も幼少時代からの問題を抱え続けているのです。
虐待は、エスカレートする性質を持っています。
もし、状況が深刻な場合は、身近な育児支援施設などの相談窓口で、専門家に話を聞いてもらうのも一つの手です。
意外と、知り合いや家族には打ち明けづらいものです。
専門家には守秘義務があり、専門的視野から解決の糸口を見つけたい時は、有効かと思われます。
自治体の保健センターや子育て支援サロンなどに参加し、子育ての悩みを話せる仲間を作るのも、育児ストレス解消によいでしょう。
苛立つ感情は、あなたが怒りっぽいから湧いてくるのではありません。
人間は感情の生き物ですから、同じ立場になれば、誰であろうとイライラします。
ですが、そのイライラを受け流す余裕があるのとないのとでは、結果は変わっていきます。
日頃から、少しでもストレスを感じたら、こまめにリセットする習慣を身につけ、「我慢は、周囲への攻撃性を招きかねない」と、心に留めておきましょう。
|
|
|
|