実はこれも「契約」です!契約書の必要性とメリット
競業・コラボレーション(コラボ)・ビジネスマッチングも「ビジネス契約」です。フリーランスや企業は、契約書の有り無しが事業成功の分かれ目になることも。
こんにちは。ビジネス法務コーディネーター®行政書士の大森靖之です。
このコラムをご覧の方は、何らかの事業を行っている方が多いのではないかと推測しています。
どのような業種で事業をされていますか?
また、会社(法人)の役員の方でしょうか?
個人事業主(フリーランサー)の方でしょうか?
業種や法人・個人事業の違いにかかわらず、実は、対外的な事業活動の多くは、法律的な切り口でいえば、契約として捉えることができます。
例えば、まず、次のようなことが挙げられます。
- 物を販売する → 売買契約
- 物の製造を引き受ける → 請負契約
- 融資を受ける → 金銭消費貸借契約
これらは、事業をされている方であれば、お馴染みの契約ともいえるのではないでしょうか。
近ごろは、スピーディーに事業を立ちあげたり展開したりするために、他社と手を組んだり、提携したりする活動が活発になってきています。
「競業」「コラボレーション(コラボ)」「ビジネスマッチング」といった言葉をよく口にしたり、耳にしたりしませんか?
実は、これらの活動自体、契約である場合が非常に多いのです。
→ 秘密保持契約
→ コンサルティング契約
→ 代理店・販売店契約
→ 業務委託契約
→ 共同開発契約
その多くが、法律的な切り口で見れば契約であることが、お分かりいただけたでしょうか。
手を組む段階では「志」「想い」を一つにして意気投合。
提携のはじめ頃は上手くいっていたものの、金銭や権利関係などのお互いの利害が絡む段階になってくると、コミュニケーションが上手く取れなくなってきて、最悪、頓挫してしまうケースも多いという実態があります。
私が知る限りにおいては、頓挫してしまった案件の中には、大化けする可能性を秘めた案件が含まれていたことも。
こうした案件では、「事前に契約書を作っておけば、こんなことにならなかったのに…」と口惜しく思うこともあります。
ご縁があっての提携。
せっかくなら成功させたいですよね?
そのためにも、「競業」「コラボレーション(コラボ)」「ビジネスマッチング」という言葉だけで見切り発車するのはお勧めできません。
お互いに、その正体は「契約」であることを認識し、次の2点について、契約書で明確にしておくことが重要です。
- 相手に何をしてもらえるのか(権利)
- 相手に何をしなければならないのか(義務)
手を組む段階で、「志」「想い」までを含め、中長期的な将来像・ビジョンを含めた形で契約書を作成できれば、少なくとも、コミュニケーションミスや、ボタンの掛け違いは、最小限になるでしょう。
また、提携が成功し、「大化け」する確率を上げることにも繋がるのではないかと思います。
契約書は「トラブルを避ける」「いざと言う時の裁判上の証拠となる」という文脈の中で使われることが一般的です。
ですが、「他社と手を組みたい」「上手くつながりたい」こういった時にこそ、本来の意味での大きな威力を発揮するものと私は考えています。
皆さまの事業の発展のためにも、ぜひ契約書を上手に使いこなしていただきたいと願っています。
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