落語の起源は「お坊さんの面白話」から!落語の歴史と由来
落語の起源はどこから?上方落語と江戸落語の違いや、前座、二ツ目、真打ちの身分制度など、日本の伝統芸能「落語」の歴史と由来を分かりやすく解説。
みなさま落語はお好きでしょうか?
「落語」は、落ちのある話「落とし咄(おとしばなし)」から生まれた言葉であるとされています。
今回は、知っておくと面白い落語の発祥についてお話し致します。
一説によると落語の始まりは江戸時代初期の京都。
新京極「誓願寺」に赴任した「安楽庵策伝」という浄土宗の僧侶は、笑いを取り入れた説法が得意でした。
のちに笑い話や落とし噺をまとめた「醒睡笑」(1623年)を手掛けたことから、「落語の祖」と言われています。
江戸時代初期、京都北野天満宮や四条河原で小噺など面白話で人気を博した「露の五郎兵衛」が、最初の噺家と言われています。
少しあと大坂生國魂神社で「米沢彦八」が現れ活躍、今も有名な「寿限無」の元は彦八が作ったとされています。
同じ頃江戸では、大坂から移った「鹿野武左衛門」が登場し、江戸落語の祖と言われています。
ほとんど同じ時期に落語は誕生し、三都で発展していきます。
言葉の違いだけでなく、同じ噺でもタイトルや演じ方の違うものがあります。
例えば「時そば」は上方では「時うどん」、「酢豆腐」は上方では「ちりとてちん」など。
道具では、扇子と手ぬぐいだけの江戸落語に対し、上方落語では見台・膝隠しが置かれ、小拍子という小さな拍子木で見台を叩いて拍子を取りながら話を進めます。
座敷でやりやすい環境で広まった江戸落語と違い、上方落語は社寺の境内や河原など野天の辻噺が発祥。
雑然とした屋外で鳴り物でまず注目を集め、人を引き付ける必要があり、その名残だと言われています。
真打ち制度と呼ばれる格付けシステムがあり、見習い・前座・二つ目・真打(しんうち)という4つの階級があります。
見習いからスタートし真打を目指します。
二つ目でようやく落語家として一人前と認められ、これまでしてきた師匠宅や寄席での雑用から解放されます。
しかしこの制度は関東だけ。
昔はありましたが、今は上方落語にはありません。
格式を重んじる江戸、売れてナンボの上方といったところでしょうか。
寛容さが失われつつある世知辛い昨今ですが、落語の中には人情味溢れる魅力的な人物が多く登場します。
どうしようもないバカにも愛情たっぷり、時の権力者もこきおろす。
深刻な事態も目線を変えれば可笑しくて、勉強が出来る賢さだけでない、生きていくヒントと暮らしのコツが綺羅星のごとく詰まっています。
しきたりやお作法、男女の機微に至るまで、落語には人生全てが詰まっていると言ってもいい気が致します。
涙なくしては聞けない人情噺、抱腹絶倒お腹を抱えて大笑いの噺、芝居噺に怪談噺、ちょっとエッチな噺まで、落語を一席体験してみませんか?
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