初心者の歌舞伎鑑賞!座席の値段・種類・おすすめの選び方
初めて歌舞伎に行くときは、一体どの席を選べばよいか、迷うところです。
歌舞伎の座席は、一般的に「4千円~2万円」とピンキリです。
値段が高いほど良い席なのか、安い席は全くダメなのかなど、座席の特徴をご紹介したいと思います。
歌舞伎の席は、一般的に以下のように分かれています。
- 一等席=18,000円
- 二等席=14,000円
- 三階A席=6,000円
- 三階B席=4,000円
- 1階桟敷席=20,000円
- 一幕見席=800~2,000円
(2015年11月 歌舞伎座参照)
公演によって、値段は変わります。
「襲名」といった特別興行では、お値段は高くなる傾向があります。
歌舞伎のチケットは、「昼の部」・「夜の部」というくくりで発売されているのですが、東京の歌舞伎座では、そのなかの一つの演目だけを見られる「一幕見席」という、格安の席が用意されています。
四階にある一幕見席へは、正面入り口から行くことはできません。
専用入り口から、専用エレベーターを利用します。
正面横手の別入り口から四階へ直通するので、館内のお土産物屋や弁当屋なども利用できません。
ただ一つの演目を見るためだけの、いわば隔離されたお席となりますが、その分大変お手頃なお値段です。
その月の演目、出演俳優など書かれた筋書(パンフレット)は購入できます。
歌舞伎というものの雰囲気をちょっと体験してみたい初心者の方、何度も通いたい通の方など、好きな幕だけを気軽に鑑賞できます。
前売り販売はしておらず、当日の申し込み・購入になります。
前売りチケットが完売してしまったとき、行きたい日が貸し切りで一般発売がないときなども、この一幕見席は発売されるので、是非利用してみてください。
初めてなら、やはり「真ん中から」全体をご覧になるのが良いでしょう。
真ん中周辺舞台に向かって、左右45度以内の席がお勧めです。
歌舞伎では、昔から「とちり」の席が一番良いとされてきました。
今では「ABC~」や「123~」と、座席は英数字の表記に変わりましたが、昔は座席は一番前からいろは順でした。
一列目「い」、二列目「ろ」と数えていくと、「いろはにほへ“とちり”ぬるを…」ですから、「と・ち・り」は、前から7~9列目ということになります。
ですので、良い席で観たいとお考えなら、前から8列目あたりの真ん中の席を狙ってみてください。
ただし、この席は大変人気ですので、購入はお早めに。
歌舞伎の舞台の大きな特徴「花道」。
舞台の下手(左側)から観客席を貫いて設けた、細長い通路のことを言いますが、この花道近くの席は役者さんの息づかいを間近に感じることができ人気です。
ただし、役者さんは、花道の上で上手(舞台や観客席の中央)に体を向けてお芝居をしますので、花道近くの席でも花道の下手の席は要注意です。
花道下手席は、通称「どぶ」と言い、役者さんの後ろ姿しか見えません。
一等席よりもさらに値段の高い客席サイドにある、ボックス席のことを言います。
桟敷席は、お弁当やお茶のサービスが付いており、芝居見物の贅沢さを味わえる、一度は座ってみたい憧れの席。
昔は、花道から登場した役者が、桟敷席に座るご贔屓筋に、目で合図を送ったりしたとか。
京都五花街の芸舞妓が一堂に会し、南座の顔見世興行を観劇する、京都の師走の風物詩「花街総見」で、芸舞妓さんがズラリ座るのも、この桟敷席です。
ここに座るのは、昔も今もステータスであることに変わりはありません。
ですが、見え方で言うと、最高とは言えない場合もあります。
後ろの方の桟敷席からは、舞台全体が見えますが、前の方は90度近い角度から鋭角に舞台を見ることになるので正直少し見にくいかもしれません。
意外に見やすいのが、二階席です。
一階の隅や後ろの方から観るくらいなら、二階席からの方が、舞台全体をちょうどよい目の高さで見渡せます。
天皇陛下がご覧になるVIP席ですので、その見やすさは折り紙付きです。
なお、間違えやすいのですが、「二階席=二等席」ではありません。
二階席の前列は一等席扱いになりますので、ご注意ください。
絶妙のタイミングで「松嶋屋~!」「成駒屋!」など掛け声をかける「大向こう」と呼ばれる方が、多くいらっしゃるのもこの辺りです。
ワイヤーは、花道あたりから三階席奥に通されていて、花道寄りの三階席に座っていると、役者さんが前から迫ってきて、自分の頭のすぐ上を通って行くので大興奮を味わえます。
三階席同様、ここにも芝居通が多く集まります。
値段も格安なので、雰囲気だけ味わいたい、初心者の方にもお勧めです。
ですが、劇場の最上階の最後方なので、花道は全く見えません。
一幕見席から撮った下の写真を、見え方の参考になさってください。
どのお席にもそれぞれの良さがあって、どこで鑑賞するのも楽しいものです。
皆様の歌舞伎鑑賞の参考になれば幸いです。
歌舞伎チケットの取り方は、「超初心者向け「歌舞伎チケット」の購入方法!前売りから当日券まで」を確認しましょう。
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