歌舞伎のおすすめ演目は?三姫「八重垣姫・雪姫・時姫」の見どころ
歌舞伎のおすすめ演目を紹介。本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)の「八重垣姫」、祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)の「雪姫」、鎌倉三代記の「時姫」です。
みなさんは、歌舞伎に登場するお姫様と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
今回は、代表的なお姫様役をご紹介します。
歌舞伎でお姫様の登場する演目数あれど、その中でも至難の姫役があります。
- 本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)の「八重垣姫」
- 祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)の「雪姫」
- 鎌倉三代記の「時姫」
この三人の姫が最も難しい大役とされ、「三姫(さんひめ)」と言われています。
どんなお姫様なのか、それぞれ見ていきましょう。
八重垣姫が登場する「本朝廿四孝」は、信玄と謙信の争いを背景に、許嫁となった両家の子供の悲しい恋の物語です。
許嫁が切腹し、嘆き悲しむ謙信の息女「八重垣姫」。
香を焚き、その弔いに身を捧げる「十種香」の段では、舞台上で実際に本物の香が焚かれます。
客席までたちこめる香り、溢れる気品が見どころです。
ある日死んだ許嫁そっくりの男が現れ、心を奪われた八重垣姫がアタック開始。
「後ともいわず今ここで~」などと大胆に告白する「クドキ」の場面、そして実は生きていた許嫁を追手から守るため、重宝の兜を手に兜に宿った狐の霊力を借り、凍った諏訪湖へ急ぎ駆けつける「奥庭」の段。
奇跡をも起こす、恋したら止まらない深窓の姫君の「静と動」が見どころです。
雪姫が登場する「祇園祭礼信仰記」とは、将軍を暗殺、人質をとり金閣寺に立てこもる謀反人を知略で追い詰める物語です。
謀反人が金閣寺の天井画を描かせるため捕えた絵師雪舟の孫娘、雪姫(雪姫も絵師です)。
夫のいる雪姫に横恋慕する謀反人。
「絵を描け」「オレの女になれ」と迫まりますが、首を縦に振らない雪姫。
「色よい返事聞くまでは、布団の上で極楽責め」とさらに迫られるも拒否。
花びら舞う満開の桜の下、裸足のまま縛られ捕えられます。
身悶えしながら爪先で花びらを集め鼠の絵を描くと、なんと鼠が動き出し、縄を食いちぎり雪姫を助ける「爪先鼠(つまさきねずみ)」という奇跡の場面、金閣寺を背景に、か弱く美しい姫が紐で縛られ苦悩する姿が見どころです。
時姫は、鎌倉時代を舞台にした「鎌倉三代記」に登場するお姫様。
恋と親への恩義の板挟みになり、決断を迫られます。
見どころ「絹川村」
将軍家と北条家の熾烈な権力争いの中、時の執権・北条時政の一人娘「時姫」は、あろうことか敵方武将の忠臣に恋をして、父の反対に耳も貸さず家を飛び出し、彼の実家へ押しかけ女房。
かいがいしく彼の母の看病をしています。
ですが、そんな時姫に非常にツレナイ彼。
敵方北条の娘ということで全く信用してもらえません。
そんなある日「オレの女房になりたければ、父を討て」と命ぜられ、苦悩する時姫。
「北条時政、討ってみせましょう」
親への恩義と恋の天秤の末、彼を選んだ姫ですが「お父様赦して」と泣き伏せるシーンが見どころです。
とても簡単なあらすじと見どころでした。
歌舞伎鑑賞のお役に立てば幸いです。
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