戦国武将「真田幸村(信繁)」を描いた歌舞伎演目は?大河ドラマ「真田丸」や映画「真田十勇士」ファンにもおすすめ!
戦国ヒーロー「真田幸村」が描かれた歌舞伎の演目を2つ紹介。大河ドラマ「真田丸」や、映画「真田十勇士」等でファンになった人は、一度観劇してみては?
大河ドラマ「真田丸」や「真田十勇士」でおなじみ、今なお語り継がれる戦国ヒーロー「真田幸村」。
彼を描いた歌舞伎の演目があるのをご存知でしょうか?
簡単なあらすじ・登場人物・みどころをご紹介します。
浄瑠璃「近江源氏先陣館」全十段の八段目、家康が豊臣家を滅ぼす戦い「大坂冬の陣」を脚色。
敵味方に分かれ戦った真田信之・幸村兄弟の悲劇、豊臣滅亡の悲話が描かれています。
「大坂冬の陣」での実名でなく、以下のように変更されています。
- 江戸時代 →鎌倉時代
- 徳川家康 →北条時政
- 豊臣秀吉の嫡男・秀頼 →源 頼家
- 兄・真田信幸(信之)→佐々木盛綱
- 弟・真田信繁(幸村)→佐々木高綱
- 幸村の盟友・後藤又兵衛 →和田兵衛
北条時政についた兄盛綱。
源頼家についた弟高綱。
高綱戦死の一報が入る北条家。
北条時政に「兄である盛綱が首実検せよ」と命ぜられる。
首を見るや弟の息子が「ヤァとと様か、さぞ口惜しかろう、私も追いつきまする」と自害を図る。
しかし、その首は偽首。
なぜ父でない首を見て腹を切ったのか?
息子自害により敵将に偽首を本物と思わせようとする、親子の決死の策略と悟った兄。
弟の苦心、甥の健気さに心打たれ、自らも死を覚悟で偽首を本物と言上するのだったー。
こちらは父と恋人の間で板挟み、波乱の人生を歩んだ悲運の戦国ヒロイン「千姫」の物語。
全十段の浄瑠璃「鎌倉三代記」の七段目で、豊臣徳川最後の決戦「大坂夏の陣」が題材。
豊臣方で実際に大活躍した真田幸村と木村重成、徳川方の千姫を中心に脚色した、前出「盛綱陣屋」の後編にあたる内容です。
「盛綱陣屋」同様、実名は使われず以下に置き換えられます。
- 江戸時代 →鎌倉時代
- 徳川家康 →北条時政
- 豊臣秀頼 →源 頼家
- 真田幸村 →安達藤三郎、実は佐々木高綱
- 木村重成 →三浦之助義村
- 徳川家「千姫」→北条家「時姫」
北条時政の娘「時姫」が思いを寄せる恋人は、敵方の家臣「三浦之助」。
敵将の娘は妻にはできぬと、時姫を拒む三浦之助。
父は時姫を連れ戻そうと使者を送る。
苦悩の時姫。
自害を図ろうとする時姫をとめた三浦之助に、愛の証に父北条時政を討てと言われ驚く時姫、迫る三浦之助。
ついに父殺害を決意する時姫だったが・・・
鎌倉三代記の「時姫」は、本朝廿四孝の「八重垣姫」、金閣寺の「雪姫」と並ぶ三姫の一つ。
三姫とは数多い姫役の中でも至難とされる三役のこと。
最も難しいとされる大役です。
幕府批判と思しき内容や、豊臣を称賛する芝居はご法度。
上演禁止や処罰の対象になり実名で上演することはできませんでした。
そこで、幕府に配慮、大坂の陣を鎌倉時代の近江源氏に置き換え、脚色上演されました。
しかし、当時の人々には、何の出来事をさし、誰を暗示しているかは言わずもがな。
真田家の悲劇、豊臣滅亡の悲運を描いていることは暗黙の了解、今日まで脈々と受け継がれてきました。
ドラマで真田幸村に興味を持ったなら、歌舞伎も観に行ってみてみてはいかがですか?
きっと楽しめると思います。
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