「性的虐待」を受けた子供の心理と対処法 (1/2)
発見されにくくPTSDなどトラウマの原因にもなる、子供への「性的虐待」の定義とは?児童の心理状態や後遺症、周囲の大人が取るべき対処法を紹介。
こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。
子どもへの虐待の中で、最も発見されにくいのが「性的虐待」と言われています。
体に傷を残さないこと、そして双方が事実を隠してしまうものだからです。
性的虐待のせいで、子どもたちの心は壊れてしまいます。
そんなことはあってはならないと私は強く思っています。
性的虐待を行う大人は、子どもに秘密のメッセージを残します。
- 「2人だけの秘密だよ」
- 「他の人に言ったら一緒に暮らせなくなっちゃうからね。言ったらダメだよ」など
これにより、子どもの口を封じてしまうのです。
子どもは、親のことが大好きですから、暮らせなくなってしまうのは困ると感じ、誰にも言えなくなってしまいます。
これも早期発見に繋がらない要因になっています。
性的虐待は、親や養育者、親類によって、子どもの性を虐待してしまうことを言います。
日本では、欧米と比べて、定義が大まかにまとめられたものしかありません。
ですが、子どもが性的な行為に嫌悪感を抱くようなもの全てが当てはまる、と考えるべきだと思っています。
よって、性交のみが虐待という認識は誤りで、次のような行為も性的虐待にあたります。
- 子どもの性器周辺への接触や愛撫
- 自分の性器の露出(故意的なもの)
- 自分の性器を触らせるような行為
- 性を感じさせる全ての行為(性的いたずらも含む)
子どもに対して、性的欲求の感情を持って接すること自体が性的虐待の範囲に入ると私は考えています。
こういった心があると、どうしても欲求を満たそうと行動を起こしてしまうことがあります。
ですから、範囲はかなり広いと考えていただきたいです。
女児だけが対象になっているわけではありません。
男児や乳幼児までもが被害に遭っているケースもあるのです。
短期間でも性的に虐待を受けると、子どもは、自己評価が低くなります。
「自分が悪い子だから嫌なことをされる」と考えてしまうためです。
また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症してしまうこともあります。
夢に見たり、ニオイを嗅いだだけで、その時の情景や「嫌だ」という感覚が蘇ってしまう『フラッシュバック』が起こってしまうのです。
体の反応として、大人(異性であることが多い)の性器を触ろうとしたり、自分の性器を押し当てようとしたりする「性化行動」という反応を示すこともあります。
愛情と性を混同してしまって、歪んだ認識を持ってしまっている状態です。
長期的に行われた場合、薬物依存・摂食障害・人格障害などを引き起こすとも言われています。
心が壊れてしまうと言っても、過言ではないでしょう。
性的虐待の場合、親や先生には言いませんし、子ども自身も口をつぐんでしまいます。
その上、身体的に痕跡を残さないため、気がつきにくいものでもあります。
親や担任の先生に対する「性化行動(性器を触ろうとしたり、自分の性器を押し当てようとしたりする行動)」が見られた場合、子どもに話を聞くことや、心療内科などへの受診が必要です。
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